今月の注目作家インタビュー/咲坂ゆあさん(2021年10月)

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こんにちは、魔法のiらんど編集部です。今回ご紹介する注目作家は、咲坂ゆあさんです。
「何度でも読みたくなる!」などたくさんのコメントや349,000ものスタンプを集めている『恋花ロマンチカ』シリーズの著者、咲坂ゆあさん。今回は、『恋花ロマンチカ』シリーズに焦点をあてつつ咲坂ゆあさんご自身にも迫っていきたいと思います!



咲坂ゆあさん

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―魔法のiらんどをご利用されたきっかけを教えてください。

元々読むのが好きで利用していました。『恋空』『S彼氏上々』等を読んでいました! それから、妄想を書くのが好きで、パスワード付きBOOKでひっそりと更新していました。 ただいつしか、自然災害も多く、コロナウイルスの蔓延で、明日の我が身が知れない時代に、何かひとつ自分の生きていた爪痕を残したいという思いで公開したことがきっかけで執筆に力を入れるようになりました。


―はじめて書いた作品はどんな作品ですか?当時を振り返ってどんな思い出がありますか?

初めて書いた作品は覚えていないのですが、初めて公開した作品は、『月とライオン』です。この作品は更新中のしおりも伸びず、コメントは来たことがなく、「コメント良いなぁ…」と思いながら、ひっそりと書いていました。読んでくれる人はいないと思っていたので、好き勝手に只管自由に書きました。この作品を完結したのが魔法のiらんどがリニューアルする少し前でして、リニューアル直後(4月1日)の日間ランキングで1位を頂きました。その時はさすがにエイプリルフールかなにかの間違いだと信じていましたが、次の日も1位だったので、これは本当かとじわじわ実感して、初めてコメント頂いた時は涙が出ました。



ーー代表作『恋花ロマンチカ シリーズ 』についてお伺いします!



▽代表作『恋花ロマンチカ シリーズ』

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―作品を執筆された動機、ストーリーを思いついたきっかけなどを教えてください。

『恋花ロマンチカ』のストーリー自体はいつ思いついたか覚えていないくらい昔から考えていた作品です。元々、幼なじみ(但しイケメンに限る)の関係が好きで、さらに、幼なじみのお兄ちゃんたち(但しイケメンに限る)に溺愛されている関係が憧れでしかなかったです(そんな人生送りたかった)。主要キャラクターの五人を生み出したあと、キャラクターのバックボーンを考えるうえで、ヒーローヒロインだけではなく、幼なじみのキャラの家族構成、幼なじみであれば親との関係性、親同士の繋がりを考え始めたところ、どんどん広がっていった作品群になります。


―完結までの執筆期間やその間の更新頻度を教えてください。

かなり遠回りをして完結させた作品ですので、全体的に見れば長く見られがちですが、実際はⅠもⅡも2ヶ月~3ヶ月くらいで書きあげました。なので半年くらいでしょうか…。更新中は家事の隙間を見計らって、できるだけ毎日頑張っています。更新途絶えるとやる気もストップしちゃうので……。


―執筆する上で、こだわっていた部分はありますか?それはどんなところですか?

名前です。キャラは自分の我が子で、我が子に一番最初に与えるのは名前なので、名前は本当に拘っています。 例えば、ヒーローの巧であれば、恋花ロマンチカは“普通”と“幸せ”をテーマにした作品です。わりと普遍的な“たくみ”って名前も、“巧”の漢字を付けたのは、“幸福”の“こう”と呼べる字を選んで宛てました。“悪友”たちは名前に植物の字を宛て、四人のうち三人は漢字一字なのに“蓮聖”だけ二文字なのは、親達の中で蓮聖の親である“玲央”だけが二文字だから……とか、変に拘っています。


―完結までに苦労されたこと、大変だったことはありましたか?

伏線回収が本当に大変でした。恋花ロマンチカはほぼ全ての作品と繋がっているので、他の作品を全部読み返して繋げていました。私自身、伏線があるお話が大好きで、特に回収の時にスッキリする話がたまらなくて。ただ、回収方法が雑だったり、残念だと勿体ないなぁと思ってしまうので、本当に気を遣いました。頑張った甲斐があって、全てが明らかになる『恋花ロマンチカⅡ』の終盤は反響が途轍もなかったです。みなさまと共有できて「やったぜ!」とこちらも嬉しく思いました。しかし、こんなに組み立てるのは恋花ロマンチカが最初で最後だと思います。



ーー普段の執筆活動や作品についてお伺いします!

―普段の執筆時、プロットやメモなどは作成しますか?作成する場合はどのように作成していますか?

プロットは必ず立てます。プロットがあると無いのでは更新スピードが全然違います。それに、私は方向音痴なので、ナビが無いと目的地にたどり着けないタイプです。プロットはナビや地図代わりです。迷子にならない為にも必ず書きます。ノートにざっくりとした流れを書いて、言わせたいセリフをざっと書きます。そのあと、BOOKを作成して、一番最初のページにノートを頼りに会話文8割背景2割のプロットを立て、章を作成して区切りがいいところまでプロットをコピペして、会話文に肉付けしながら文章を組み立てています。


―作品を完結させるまでの執筆期間やその間の更新頻度を教えてください。

一個に集中して書けば、10万字の作品は1ヶ月くらいで書きます。他の作品と同時進行が出来ません。あと、移り気が多いので、書きたい作品が出来たり、番外編を進めたり、Twitterでフォロワーさま限定のSSを書いたり……と、寄り道ばかりしています。


―どういった時にストーリーを思いつきますか?

家事の時や、通勤途中が多いです。あとは子どもを寝かしつけている時です。しかし一緒に寝てしまい、起きたら忘れているのでどうしようもないです。


―キャラクターの設定は、どのように決めていますか?

私の場合、キャラクターありきのお話なので(キャラクターに沿った話を考える為)キャラ設定は細かくします。血液型はもちろん、名前の由来、家族構成、好きな食べ物、得意なこと、よく着る服のブランド、酷い時は姓名判断もしました。チャラい男が一途になる話が性癖なので、男は昔遊びがちですし、女の子はひたむきで陰に埋もれていることが多いです。ヒロインを崖から落としがちですが、頑張っているヒロインをヒーローに見つけて欲しいです。


―ご自身の作品で特に思い入れのある作品をひとつ、教えてください。

『M.I.L.K』です。


―『M.I.L.K』について、それに対する思い入れの度合いや、あるいは作品のアピールポイントを教えてください。

私の話は甘い話が多いのですが、この話はスタンプを見てわかる通り、圧倒的に切ないです。切ない通り越して苦しい、辛い、と言われましたし、ここまで書かなくても……と、実際言われました。しかし、辛い経験をした分幸せを確約させたくて書き進めました。切ない話は書いているこちらも苦しくなりますが、泣きながら書いたお陰で反響が凄かったです。 ありがたいことに、更新中にコメントを多く頂きますが、完結して随分経った今でもコメントを残して頂くのは『M.I.L.K』が一番多い気がします。「切ない系が読めなかったけど、私の作品が好きだから、決心して読んでみた」と、ある読者さまからお手紙を頂きました。「読んでいる最中やっぱり辛くて泣いてしまったけれど、読み終えると苦手を覆すほど満足感が強かった」と言われ、本当に嬉しかったです。更新中にコメントを頂き、それが力になることを教わった作品となりました。 完結直後のコメントに「子供の話が読みたい!」と言われ、この二人の子どもの話を書きました。私の作品でも一番人気があるのは『hush×hush』ですが、読者さまのコメントがなければ、『hush×hush』は生まれませんでした。

▽『hush×hush』はコチラ

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―ご自身の作品で特に思い入れあるキャラクターをひとり、教えてください。

『M.I.L.K』のヒロイン、美崎エマです。


美崎エマについて、そのキャラクターに対する思い入れの度合いや、ここを見て!といったポイントがあれば教えてください。

どの作品のどのキャラクターも大好きですが、一番と言われて思いついたのが彼女です。エマは一番辛い過去を持っています。私は空想上で書きましたが、現実にもエマのような経験をしている女の子は居ると思いながら書きました。『M.I.L.K』はリョウとエマ、二人のラブストーリーでもありますが、エマの娘、フウカを通じて三人が家族になっていく話です。エマがどれだけ絶望に打ちのめされても、みんなに支えられながら立ち向かっていくストーリーを是非感じて頂けると嬉しいです。

▽『M.I.L.K』はコチラ

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ーー咲坂ゆあ さんご自身についてお伺いします!

―読者のみなさんとのコミュニケーションはどのように活用していますか?または、これまでもらったレビューやお手紙で、一番うれしかったメッセージはどんなものですか?

Twitterです。私の作品について話していただけるとニヤけるほど嬉しいのですが、人見知りなのでこちらから中々話しかけることができず、こっそりと拝見して幸せを頂いています。コメントはいつも嬉しく拝見しています。スクショを残しては、ニヤニヤしています。 それから、Twitter上でキャラクターに対してお話させて頂く機会が多いのですが、私の作品の中でも特に人気があるキャラクターたちが『恋花ロマンチカ』に登場する、ひなの幼なじみのお兄ちゃんたちの総称“悪友”です。しかし、悪友の四人の中で一番弱かったのが“小鳥遊棗”というキャラクターです。他の三人が個性的過ぎたんです。しかし、フォロワーさまとお話する中で、彼の存在が確定してきまして、方向性が決まり、『ビター・ハニー・ビター』という作品を公開しました。Twitter上で悪友人気投票を開催しましたが、一度目は四位だった棗が二度目は一位になるほど人気が爆発しました。棗の成長は、読者さまのお陰です……(泣)


―今後の展望は?現在更新中の作品や今後書いてみたいストーリーがありましたら教えてください。

私の作品群はいのちを繋いでいく話だと、読者様にお言葉を頂きました。はじまりの第一世代、中枢となる第二世代の八割が終わり、次は第三の世代の展望を考えています。芸能人や幼なじみ同士の攻防戦が多くなるかと思います。これが全て終わると、作家活動は終わろうかなって思ってますが……何時になることやら?という感じです。


―読者のみなさんへのメッセージを!

いつもお力を頂きありがとうございます。趣味の範疇で書き綴っている妄想に、コメント・スタンプ・シーン、沢山のリアクションを頂き、本当に夢みたいな奇跡と感じています。頂いた感謝の気持ちはお話として返させて頂きます。私が私として書くことが出来るのも、読者さまのおかげです。これからもみなさまに許される限り自分の妄想を綴っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。いつも大好きです。


――インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。






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