落ちちまった
 何でこんな事になっちまったんだろ…

 帰りてぇなぁ…あの頃に
 戻りてぇ…戻らせてくれよ…

またみんなで走ろうぜ
なぁ…」

少年は階段から身を乗り出す

「また来世で走ろうぜ…」

少年は目を閉じ

身を投げた

これで…

もう苦しまなくてすむ

これで…

あの頃に戻れる

少年は微笑みながら逝った

あの頃の記憶を抱いて

最後に少年が耳にしたのは

遠くから聞こえる懐かしい音

仲間が走る音だったから…
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