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狼狽えた彼が私の服の下から手を抜いた瞬間、松田総を突き飛ばした私は扉のない部屋の入り口に立っている人物の胸に飛び込んだ。

「・・・・奏、遅いよっ、」

「・・・わりぃ。」

抱きしめられて、体から力が抜ける。

崩れ落ちる私を抱き上げると、奏は私の唇にキスを落とそうとする。

「っっ、だめっ、」

顔を背けた私に、奏が鋭い目を向ける。

「なに、された?」

殺気を胎んだ奏の言葉に、肩がビクリと反応する。
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