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流水
2021年7月19日
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誰にも追われていないのに、ずっとどこかに逃げ出したい。
フォトジェニックの人魚【完】
/今嶌ろね
「直江くんの写真って、いつも死ぬ間際の人間が撮る写真みたいでわくわくするんだよね」。大学の先輩と関係を持った日、ベッドの上で散らばった人生の断片を彼女はそんな風に言った。有りもしない血肉を貪る影に怯えて過ごす夜を語れば自慰行為だと罵られ、陶酔は波紋を呼ぶ。「そんなんだから彼女寝取られるんですよ、おれに」大学から付き合った彼女が後輩に寝取られた日、上司のパワハラに耐えかねた日、俺は会社の最寄駅を越え、越野由環に出遭った。
明日の朝目覚めた時、どこかに逃げたい、帰りたいでなく、空を眺めて自分を奮い立たすことが一度でも出来たら。
7ページより
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