by
「前に才蔵が言ってた。サスケは知り合いの前で何かを食べるのを極端に嫌がるって。生《せい》にしがみ付いてる姿を見られたくないんだって。人は食べなきゃ死んじゃうから、食べる姿を見られたくないんでしょ? サスケは生きてる事に後ろめたさを感じてるんでしょ? ずっと傍にいるお母さんが、そう思わせてるんでしょ」

「……」

「でもあたしは、サスケが生にしがみ付いてくれなきゃ困る。あたし、サスケがいなくなったら生きていけない。サスケが本気であたしを生かそうと思ってくれるなら、死に物狂いで生にしがみ付いて。それが出来ないなら、あたしを殺して」

「……」

「サスケがいなきゃ生きてけないの。サスケが傍にいてくれなきゃ存在しない存在でいられない。サスケが生きてるって事は、あたしが生きられるって事なの」

「……」

「生きてる事に後ろめたさを感じるのは、あたしが死んでからにして。あたしを――本当にあたしを生かそうと思ってくれるなら、何よりまずサスケが生きようとして」
694ページより