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by
まめこ
2021年7月30日
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「明日、雨が降ったら、もう一度来てくれますか?」
桃花の雨
/中山史花
「雨に濡れていないと、見えなくなってしまうんです」少し甘い紅茶のような、やさしい声で彼女はそう言った。「どうか、気づかないでいてほしい」彼女の言葉は、ときどき祈りのように響いた。「ここにいてほしい」言葉はなんの役にも立たないのに、それでも言うしかない。
その他
完結 226ページ
塗られたリップの色が、桃の花のようにやさしくひらいたり閉じたりして、いつまでもやわらかくて甘い声を吐きだした。
219ページより
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