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俺には、」

「?」

「俺にはお前にくれてやれる物もねぇし、花束を買ってくるような気を回せる男でもねぇ。」

「……え、ずっとそんな事気にしてたの?

いいっていいって、こうしてみんなと一緒に祝ってくれるだけで俺は…」

「ただ…」

「?」

「お前が生まれてきた日を…祝える事を、嬉しく思う。

お前が、同じ時代に生まれてきて…よかったと思う。

…ただそれだけお前に、伝えときたかった。」

「ノエルちゃん…。

(あー…コレって、ノエルちゃんなりのオメデトウの言葉なんだろうな。

眉間にシワ凄ぇ寄っててヤーさん顔五割増しだけど耳がちょぅ真っ赤だし、言い慣れてない感が半端ないなぁ。)」

「…チッ、きめぇ事言ってんなコイツとか思ってんだろ。」

「うんにゃ、思ってないよ。

ありがとノエルちゃん、物じゃなくたってその言葉が何よりのプレゼントだよ。ありがとう。」
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