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だからあの席でどのような褒美の品よりも、千鶴子が欲しいと言った。千鶴子自身にこの想いをわかって欲しかった。」

そっと髪を撫でられる。

それと同時に自分の瞳からぽろりと涙が落ちる。

「姑息だとは思ったが、どうしても繋ぎとめておきたかった。」
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