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「俺もオサゲちゃんがいなくなったら、泣くし、大声で探すし、走って見つけたら思いっきり抱きしめて、」瞼を上げて、あたしを見る。トラくんの目が真っ直ぐとこちらを見据える。優しげな空気が、一瞬だけ、形容しがたいけれど、一瞬だけ、ぎゅ、と、引き締まったように感じた。「もう、離してあげない」