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「俺のことを頼ってほしいって、言いましたよね」「柳……それは、ごめん」「へえ、じゃあ結局、どれもこれもあの爽やか紳士のおかげってこと? なんだそれ、うざ」柳がイラついている。すう、と目を細めてキッチンに置かれている段ボールを見渡した。「瀬那さんはあの男にだったら、なんの躊躇もなく頼れるんですか」さっきから柳は何を言っているんだろう。読めない瞳はまだわたしに向けられている。まるで諌めるように。頼れる。なんの躊躇もなく。柳の言うとおり、どういうわけか伶央にだったら……、きっと。「とにかく、俺もいるって分かっててください」「……柳」「一番近くに、俺がいるから」「……」「だから、今回みたいなことがあったら言ってくれないと。助けてあげたい時に、助けてあげられない」開店までもう少し。これまでの日常が戻りつつある中で、変わっていくものもあった。「俺が知らないところで他の誰かの力を借りてるなんて、そんなのもう御免ですよ」