京の山には鬼がいた。頭領の酒呑童子とその臣下の茨木童子。二人の鬼は都の若者達を攫っては、悪事の限りを尽くしていたという――。
時は平安。故郷の村から逃げ出した茨木は、途中で力つき倒れてしまう。気づくと見知らぬ場所にいた茨木は、自分を助けた朱点という鬼の少年からその村が平野山にある鬼の村である事を知らされた。そこで暮らす事になった茨木は、朱点と過ごす中で彼と共にいたいと願うようになる。
平野山に寺院ができたことから住んでいた村を追われ、鬼達は京の都の側にある大枝山に住処を移した。見物で都を訪ねた朱点と茨木はそこで一人の少女に出会う。勝手に結婚を取り決められてしまい「都に居たくない」と言う彼女に朱点は自分たちの村に来るかと提案し、少女を連れて二人は大枝山へと帰ったのだった。
その後朱点は少女と同じ思いをしている若者達を次々鬼の村へと迎え入れた。一方京の都では、大枝山に住む鬼が度々人を攫うという噂が流れ始め……。
18歳の飲酒の表現がありますが、この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません