過去を抱えたまま、自分の居場所を求めて、誰も知る人のいない街へ引っ越してきた藤原玻瑚。
勤め先の経営者の繋がりでロックバンド「ライトニング」のメンバーと知り合う。
ヴォーカルのランが玻瑚の音楽性に興味を持ち、その才能を開花させようと画策する。
音楽を通して、次第に自分の知らない自分が引き出されていく過程は、手を貸してくれる誰かがあってのことだと痛感する。
ともに高め合い、尊敬し合い、認め合う仲間と共に、玻瑚の日常が変わっていく。
音楽は新たな繋がりとなり、仲間と過ごす時間が増えるにつれて、それまで知らなかった過去や心の痛みを知ることになり、うわべだけではわからない人間模様が見えてくる。
新しい出会いの中で育まれていく人間関係は、これまで過ごしてきた環境とはまったく違う明日への繋がりだった。
そして、ランの希望でもあり、玻瑚はシンガーとしてステージに立つことを決意した。
玻瑚をとりまく人々を描く群像劇。《出逢い編》
この作品はフィクションです。