物語の主人公であるキリムは、危険を冒して各地を回る「旅人」を志望する少年だ。
しかしその召喚能力を使っていつかは旅に出たいと思うものの、
魔物の襲来で壊滅した村の復興と病気の父の看病のため、その夢を諦めつつあった。
キリムはそんなある日、駆け出しには不相応な強さを誇る人型の精霊
「クラムステア」を呼び出してしまう。
生活費も底をつき、父親の薬も残りわずか……
哀れなキリムを見かねて、ステアはキリムに金策も兼ねた旅立ちを決意させる。
「魔法はどれくらい使える。1度召喚してしまえば暇だろう」
「暇って……。魔法なら1日に5,6発はなんとか」
「話にならん。魔力切れを恐れて突っ立っているくらいなら武器を使え」
「え、ええ……? 俺、召喚士ですけど」
貧乏な村を襲った悲劇のせいで、出遅れてしまった新米召喚士の少年キリム。
そんなキリムを放っておけない不愛想で優しい相棒、精霊ステア。
時折現れる他の精霊の助けや人々との出会いにより、キリムは次第に旅人としての頭角を現す。
そして旅の中で、それぞれに隠された秘密へとたどり着く。
キリムとステアは諸悪の根源となる者を捕らえ、両親や精霊たちの雪辱を果たせるのか……。
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