共学の公立高校に入学した一年生の鷹野律也(たかのりつや)は
小学校からの幼馴染、田坂洸太(たさかこうた)や
その他友人と平和な日常を送っていた、はずだった。
入学から数か月が経った頃何故か女子から妙な視線を向けられることが増え、それは洸太が近くにいるときに強まる気がする。
違和感がある日々の中、
部活の先輩から洸太とどんな関係か聞かれたことで
やっと自分(達)の身に起きていることを認識する。
「洸太、俺たちこの学校の‟さいおおて”?『推しカップル』らしい……」
「りっちゃん、それ笑える話?」
律也たちと同じ一年生の妹が校内にいる先輩曰く
『ふたりの関係性を恋仲と仮定しひっそり応援する女子が多く発生している』と。
あくまで二次創作的な盛り上がりを見せているようで、
当の本人たちにはどうしようもなく気付いていないふりをしてやり過ごすことに。
だけど、元々やたら距離の近い洸太に対し
律也自身満更でもなく意識しだしてしまい!?
「ほんっとにあの二人しんどいわ」
「私『りつこた派』なんだ」
「この前『モブこた』からの拗らせてる鷹野くんの妄想が捗ってさ」
ちょっと君たち、何の話をしているの!?