杜若菜月

かきつばた なつき


やさしい言の葉をあつめて

わたし


大きな木になるの。



見上げると、隙間からね
ちらってお日様の光が漏れるみたいな


あったかいとすずしいが

ちょうどいい みたいな。



もし、傷んだきみが

眩しさや喧騒に疲れたら


そうっと
ふうわり


頭をなでるみたいに葉を落とすわ。


疲れるのは、がんばってるあかし。
傷つくのは、やさしいあかし。

大丈夫よ、
わたしが居る…




闘いながら生きてきた


傷つくたびに防御を覚えて


ここまで生きてきた



真正面から受けた傷も
心を庇うようにして背中に受けた傷も


あたしの勲章にはならない




この傷が全部、大事な何かを庇って出来た傷なら



鉄の鎧だって脱ぎ捨てて、裸にもなれたかもしれない







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