森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 206

まだ弓弦がそういう風に歌っておどってというところを見たことがなかった面々は眼を見開いてみている。
翔太は、あの沖縄での練習を思い出し思わず椅子から立ち上がった。
Janisも一緒に立ち上がりびっくりしている様子。
そのびっくりなことには慣れているつもりでいる誠も、自分たちとやったLove is・・・・の時とは違う。
振りも少し違うと思いながらもキレのあるダンスに達哉たちとの息もぴったり。
悠太たちのスピードにもついて行っている。ここまでできるのかとちょっと見直した誠だった。
西村もここまできっちりとコピる弓弦を見たことはなくて、次一緒に上がるときはちょっと楽しみとか
ニンマリ笑いながらステージの方を見ている。
そのほかの招待客も何が何だかわからずにいるし、Martinの翔太はあそこに座っているしと
不思議な感覚に包まれているその空間では、いつもの5人そろったMartinにしか見えずにいた。
曲も途中なのにいてもたってもいられなかったのか、
翔太が立ち上がったままその場所からステージに駆け寄り飛び上がっていった。
Janisも原田もみんな駆け寄っていく翔太を止められないまま後姿を見ていると
翔太は弓弦の横に行き一緒に踊り始める。
翔太のところは本当にキレのいいステップが続く体力勝負のdanceなのだが
弓弦はみじんも間違えることもなく踊っている。
その横でまるで双子のようにステップを合わせ始めた翔太。
2人してすごく楽しそうな笑顔で、それも一緒に歌うから声が大きく聞こえた。
達哉やみんなも負けじと声を上げその曲を終わりきる。



「・・・・・・見て頂きありがとうございました!って言うか翔太お前さぁ
 ・・・・・おとなしくしてろって言ったじゃん!(笑)」
「ごめん、もう体がうずうずして無理だった。弓弦さんに俺のとこ頼むんだもん。」
「だって、そこまで似てるんだからしょうがないじゃん(笑)」
「でもすごいね、翔太君もう完璧じゃん。」
「あー弓弦さん無理無理(笑)まだ足完全じゃないだろ?翔太痛いんじゃね?」
「あ…ばれたか(笑)でも、これで見ただろ?きっちり療養したら完全復活します!
 今日のこれを見たみなさん、3ヶ月だけ待っててください!」
「翔太(笑)お前は今日は席におとなしく座っている約束なんだから戻って(笑)」
「わかったよぉ、わかったって(笑)」
「ということで、今日のステージ1曲だけは弓弦さんに手伝ってもらいました。
 弓弦さん、ありがとう!そしてようこそ、Janis・renoさん!」


「アリガトウ!」


そんなMartinのステージが終わる。
ステージ上では少しかたずけないといけないのかホテルの人たちが混じって機材を整理していた。
また、次までの時間があるのか弓弦が着替えて戻ってきた。
弓弦が着替えてきた姿を見て誠も「あ。」と何かに気が付いたのか自分も着替えてくるといい席を立った。
しばらくすると`mask´のメンバーでのステージと誠と貴志と峻でのパフォーマンスだ。
そのあとにあの一生懸命練習した2曲を披露する予定。


ステージ上にテーブルとイスがいくつか並べられていく。
一つのテーブルの上には様々なお酒とさまざまな形のグラス。
いろんなものが置かれている。






「こんにちわ。岩城貴志です。」
「最近原田になりました原田誠です。さっき一人だけとびっきり目立ったので
 ここでは`mask´でおもてなしをと上がってきました。
 初めに貴志のパフォーマンスをお楽しみください!」

するとステージの上にはちょっとしたカウンターのように見えるテーブルがあり
その上にたくさんの普段使うジンやいろんなものとフルーツがのっている。
グラスを準備しまず誠と貴志がパフォーマンスを始めた。

グラスタワーがある横のカウンターに似せたテーブルに貴志がいる。
貴志がいるテーブルの反対側に峻がいる。視線を合わせるとクールに笑う峻。
ふと合図と思われるしぐさの後峻がすっと勢いよく貴志にボトルを投げた。
受け取るところから貴志のパフォーマンスが始まった。
勢いとその動きがあまりにもスマートで何一つミスもなく一つのグラスが出来上がる。
ボトルが宙を飛びかいそれを一つも落とさず受け取り作り上げていくスピード。
貴志と峻のコンビでのは初めて見た弓弦は、そのステージのそばに行き端で2人を見ていた。
その貴志と峻のコンビのアシスタントに俊哉と葵生がついている。
一つ一つの緻密な動きに2人が息を合わせて、2人邪魔にならないようアシスタントしていた。
貴志と峻が作り出す世界はスマートで且つハラハラドキドキなのだけれど
その手から作り出されるパフォーマンスの先のカクテルはステージの近くの人に配られていった。
いくつか作ると2人は袖に引き上げる。

少し薄暗くなりパフォーマーが貴志と峻から藍子に変わった。
帰国して1年、勤め始めてまだ7,8ヶ月ということろなのだろうが同じに入った新人たちとは
一足も二足も先を進む彼女。アメリカにいる時勤めてたところでもかなり鍛えられていたらしく
帰国する前も幾度か賞を取ったという話を父親が話していた。
その藍子、貴志たちと同じタキシードでスポットライトの光の中に現れた。
ちょっとしたマジックを披露しながら、葵生たちにアシスタントをしてもらいカクテルを披露し始める。
女性らしい美しさ、優しい笑顔。ちょっとびっくりするようなしぐさ。
女性のパフォーマンスとしては他の人とも引けを取らないのではないかと思われるぐらいに
思いっきりの良い動きを見せてくれた。
短い時間でのパフォーマンスも横にあるタワーグラスにはまだ何も変化はなかった。
ところが藍子のパフォーマンスが終わりに近づきふと藍子が言葉を投げかけた。

「皆様、これより虹がかかります」

藍子がそう言葉を発した瞬間会場の灯りが落ちタワーにスポットライトが当たった。
すると藍子が峻に抱えられタワーのそばにいる。
その藍子の手にはシャンパンが抱えられ、栓を抜くと同時に一番上のグラスに向けて虹がかかった。

揺れることもなくグラスにしっかりとシャンパンの雫が移り行き、
最後のほうまでしっかりといきわたっていった。
最後のグラスまで雫が渡ると拍手が起こった。

藍子は峻に抱きかかえられるようにしていた体勢からすっと床におり、
注ぎ終わったボトルをテーブルに置いて峻と一緒に一礼。
そこでライトが消えステージ上が真っ暗になった。
スタッフたちがその終わったステージ上をそそくさとかたずける。
かたずけているその横で誠が衣装を着替えていた。その横にはすでに着替えている貴志。
弓弦と俊哉がこっそりステップを合わせている。その後ろに真志。
暗いステージの上が片付き、5人視線を合わせ行くぞと意気込んだ。



「それでは当晩餐会をサポートしていただいている`mask’の方々による2曲を」



そう流れると、誠を先頭に人がステージに上がる。
誠を中心に並ぶと誠が一歩前に出て話を始めた。



去年、俺ら5人はMartinのみんなとの縁がありこのいまから見て頂く曲2曲を
一生懸命に練習しました。しかし、事件があり弓弦が大変なことになって・・・。

すみません、事件の事で、みんなで一生懸命練習したこの2曲を披露できなくなってしまい
あたしほんとどうしたらいいかわからなかったんだ。

だけど弓弦さんは生きて帰ってこれた。
それだけでまたこの2曲を披露するという時間が持てた。
結果時間はかかったけど、俺らは5人そろって皆さんに見てもらえるように
また練習をしてここに立ってる。

弓弦さんが大変な時でも、命があった。五体満足で戻ってきたそれだけで
貴志も俺も、みんなみんなすごくうれしかったんだ。
だから仲間たちに見てもらいながらいつでも合わせられるように頑張ったんだよな。

先輩たちも俺もみんな同じ気持ちだったんだよね。
弓弦先輩が帰ってきたらまた練習初めて、今年のチャリティーで披露するんだって
俺も頑張って練習続けてたんだ。

そんな俺ら、今年チャリティーで踊ると決めたこの2曲をまずここで。
弓弦ももう大丈夫だし、さっきもあれだけ踊れたんだ。
これから見てもらう分だってしっかりと自分たちの2曲としてみてもらいたい。
もちろん、曲の提供はunionMartinから。
まず、`love is ・・・・・´!


  それはきっと思えば思うほど 遠ければ遠いほど
  手に触れてみたくて そのかにも匂いを感じたくて
  だけど僕は君を泣かせてしまった。
  あの時の君に僕はどうしてあげたらよかったのか
  今でもそれを悔やまれる。

  君の笑顔にこたえられるよう 僕はいつも君を思ってたよ
  君の気持ちに笑いあえるよう 僕はいつも君が好きだった

  yes so yes my honey 一緒にいる時間はいつも
  君と僕のときの流れはいつも一緒で
  non non so myhonny 離れてしまうと不安が募る
  君と僕をつなぐものが何かわからない
  だから聞かせて君の全てを聞きたいんだお願い
  素直に君しかいないんだから

  たとえば君と僕の間ほど 思いを募らせるほど 
  呆れるほどに 君のことしか考えられなくなってて
  それなのに僕は君を泣かせてしまった
  君の心をもっと自分のものにしたくて  ごめん・・・。
  離れた君を今でも。

  君の笑顔にこたえられるよう 僕はいつも君を思ってたよ
  君の気持ちに笑いあえるよう 僕はいつも君が好きだった

  yes so yes my honey 一緒にいる時間はいつも
  君と僕のときの流れはいつも一緒で
  non non so my honey 離れてしまうと不安が募る
  君と僕をつなぐものが何かわからない
  だから聞かせて君の全てを聞きたいんだお願い
  素直に君しかいないんだから

  今も一人で僕を待っていてくれていると信じ
  僕はここまでひとり頑張ってきたよ。
  今も一人僕を待って窓辺にたたずんでいると聞き
  僕は厚かましく君に会いに来たよ。
  今の僕の心を聞いてほしいんだ。
  素直に ただ素直に君に伝えたい。

  yes so yes my honey 素直に今も愛しているよ
  これから先の時間を君と共に過ごしたい
  non non so my honey これからずっと一緒に過ごそう
  君と僕をつなぐ何かはきっとあるから
  それが何かを知りたくて君と一緒に話したい
  大好きなのは君だけなんだから


踊り歌い終わった5人は、息も切らさずにその場に構えている。
次の曲が続けて流れ始めた。

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