愚図

窮鼠はチーズの夢を見る


いないものと思ってくれ、とはどういう意味だろうか。
それは本当に存在しないことと一体なにが違うの?
解けてしまった魔法をかける方法があるとしたら、私はそれをかけるべきなのかな。


ーーーーー

薬を飲んで一時待機。
煩わしいと一瞥する色々なものと、私はきっと同じなのだ。
悲しい気持ちに支配されている。
あとどれくらい眠ったら落ち着くんだろうか。
いつかのいつかを待ち侘びて生活をするけれど、終わりがいつだか分からない以上、ずっと苦しい。
藤の花の香りと点滅する着信のランプ。
扇風機の回る音を聞きながら汗ばんだ肌を撫でた夜。
あのひとがいなくなってしまうことが怖かった。
一体いつまで?5110回のいっそいなくなれと、5111回のそれでもやっぱり。
同じことを繰り返しているのだと再確認する。
じゃあ、変わってしまった私とあのひとと、今この現実にいる私と君は、違う世界線のものなの?
小さな錠剤では心許なくて不安になる。
早く眠りの世界にいきたいのに。
一体私は本当に生きているんだろうか。
息苦しくて嫌になる。

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