愚図

the dog.


私をあなた、と呼ぶ君が、時々私を君、って呼ぶところが好き。
それから、期待を裏切らないところも。


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すりあわせていくことやベッタベタな人間関係にはうんざりしてしまうし、何と言っても語彙力を失うことは殆ど恐怖に近い。
知能を失うことよりも余程。
馬鹿馬鹿しい愛のやりとりをしたいのはあのひととだけで、それだってもうとっくに遠くに行ってしまったのだから私には取り返すことなど不可能なのだ。
冷えた手を温めてくれるひとたちの、頭を撫でてくれるひとたちの、優しさや慈しみは透過してしまって作用しなくなる。
冷え切ったあのひとの手を温められない私の手は今も誰かに温められているのだ。

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