愚図

BERTOLLI.


枯れても尚美しい藤色の花と、ちっとも減らない緑色の瓶を眺めながら日がな一日煙草を吸う。
いてもいなくても変わらない、と言うと意地になって変わるよ、という癖に、それでもこのひとは週末の度に殆ど私の世界にはいない。
そう思う頃になってやっと、本当にどうだっていいことばかり連絡してきたりするのだ。
まるであのひとみたいだ。

-----

滞りなく流れる日々に辟易する。
簡単に動かなくなる身体に余計にうんざりして、何もできないまま一日を終える。
もうずっと長いこと海に行くことも出来ずにくさくさしている。
一寸の疑いもなく真っ直ぐに私を見て鳴く猫の真っ黒な眼。
やかましい他人。
ここには長く居過ぎたと思うこと。


コメント

ログインするとコメントが投稿できます

まだコメントがありません