『ビターな君とスイートな俺』Valentineショートストーリー♥
バレンタインが近づいてきましたね🍫✨
本日は、FahrenheitⅣで公開予定(一部)の二人の日常をちらりと公開♪
それでは、お楽しみください♡
ここで―――このソファで
俺たちは隣り合って、たくさんの映画を見た。
古い映画から新しい映画まで。
瑠華は俺のワイシャツ姿で、きれいな脚で斜め座りをしていて、ポッキーを食べていた。
脚を組んで瑠華の背に腕を回し座っていた俺のすぐ横で俺の肩に頭を預け、それがいつの間にか俺たちのベストポジションになっていた。
ローテーブルには彼女が好きなフルボディの赤ワインのグラス。
映画は、深夜に流れていた古いもので、CMになると、ポッキーの箱を俺に向け
「ん?」と彼女が目を上げた。
「ん」
俺も短く言って、瑠華が差し出してくれたポッキーを口にした。
ポキっとポッキーの軸が折れ、口に含むと思いのほか甘い味が口いっぱいに広がった。
それはガツンと渋みのある赤ワインと最高のマリアージュ。
俺たちの関係のように。
俺は瑠華の髪を何度も撫で、顔を引き寄せた。
流れるようにキスをして、CMが終わってもついばむようなキスを繰り返し
「始まっちゃいましたよ」と唇が離れた瞬間瑠華がテレビ画面に顔を向けたが、俺はその顔を強引に俺の方に向け、再び瑠華にキス。
「ちょっと…始まってますって…」瑠華は息継ぎのときに苦笑いをしたが、俺は止める気がなく、瑠華の肩から背中に腕を回し彼女をそっとソファに倒した。
瑠華の細くて白い首筋に顔を埋めると
「始まってますってば」とくすくす瑠華が笑う。
「録画してあるから大丈夫」と俺は言い訳。
「でも、ちゃんと観たいです」
真剣に言われ、ぐい、と両頬を包まれテレビの方に向かされ
「は~い」俺は苦笑いでテレビの方を向く。それが俺たちの日常。
~END~
☆未公開シーン(使用未定ですがまだ確定ではありません)☆
一週間後、バレンタインデーだ!
俺は今までたくさんの女たちからチョコやプレゼントを貰ったが、お返しが面倒でやんわりと断った。
「甘いもの苦手だし、チョコより君の方が欲しいな」甘い言葉を囁けば女はイチコロ。
3月14日のホワイトデーにお返しをしなくてもいいから効率的だ。
さて、もう少しでバレンタインデー。今年は瑠華からのチョコレートを期待している。
何でもアメリカでは自分の愛する人や親しくしている人に「愛と感謝を伝える日」として位置づけられているよう。花束やカードを交換しあってロマンチックな夜を過ごすのが定番らしい。
そして「いつもありがとう」や「大好きだよ」の気持ちを伝えると言うのだ。
日本では、「女の子が好きな人に告白できる日」として知られているが、それを瑠華に話し(さりげなく瑠華のチョコをおねだりしてみたが)
「それはお菓子メーカーに踊らされているのでは?」と冷たい一言。
さらには、カレンダーの2月14日の欄は真っ黒に塗りつぶされていた。(Valentine一家のこと相当憎んでるな)
わぁ……これは期待できなさそー……
バレンタイン当日。
会社に出社すると、デスクの上に小さな紙袋が置かれていた。中を覗くと真っ赤な薔薇がぎっしりと詰めてあって
「Thank you for everything.
I Love you.」
とピンクのカードが添えられていて、「from R」とサインがしてあった。
びっくりして目をまばたくと、パーテーションの向こう側からちょっと顔を出した瑠華が
「フフっ」と意味深に笑っていた。
てか普通に登場してよ…
君と言うひとは―――本当にビターなのかスイートなのか。
でも最高だ。
I Love you too.
~END~
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