ニック

「ピアスがない!」
ガタガタ…

「ここにあるぞ。ほらなっ」

「えっ!!良かったぁ。あっ、ありがとう、お兄ちゃん!」

「また、置いてきぼりのピアスだね」
兄の直は笑った顔を見ながら、妹の恵美はスネた顔で直が持っていたピアスを受け取った。
「11時半…遅れそうだから行くね。じゃあ、行ってきます」



待ち合わせの場所まで着いた時には、相手の男性も恵美が来るのを待って…