悪役令嬢の私は、何故かヒロインそっちのけで言い寄られてます

作者花邑ハル

家柄にも容姿にも恵まれた淺霧鈴葉の人生はまさに勝ち組。それはこれからも変わらないと思っていた。

ある日、階段を踏み外して落ちた瞬間、今居るこの世界は前世でプレイした乙女ゲームの世界ということ、そして、『淺霧鈴葉』というのはヒロインのことを憎む悪役令嬢で、しかも、死亡フラグが立っていることを思い出…

鈴葉すずはは本当に可愛いなぁ」

「本当に、この世で一番可愛いわぁ」


国内外にいくつもの会社を持つ淺霧財閥あさぎりざいばつの娘として生を受け、一人娘ということもあって、両親には常に甘やかされ、周りからは『可愛い』と持て囃されながら育ってきたし、欲しいものは何でも手に入ったし、したいことは何でもさせてもらってきた。


きっと人は、生まれた時すでに運命が決まっているのだろう。


何処へ行っても特別扱い、何をしても許される。こんなに楽しい人生を送れるのも全て、名家の娘に生まれたからで、私の人生は勝ち組だし、これからも、この先も、それは変わらない。そう、思ってた。


あの日、階段を踏み外して落ちる、あの時までは――……