片瀬まりもは花火になりたい

作者なつの真波

 高校一年生のまりもは、人には内緒で絵を描く日々。
 そんなある日、画材を買った帰りに出逢ったのはとても綺麗な女の子。
 でもそれは、クラスメイトの男の子、野木くんでした。

 そう、野木くんの趣味は、女装――だったのです。

 これは苦しくて鮮やかな、青春グラフィティ。

この色に溢れた世界で、

彼はとうめいな春の風みたいだった。


わたしたちは、わたしたち以外になりたかった。

なにかになりたかった。


そんな中で彼は自由だった。


女の子の格好をした、春の風。


それは梅雨空に吹き抜けた、出会いだった。