相手に触れることで任意に霊能力を貸与できる力を持つ渋谷大は、幼馴染みの久留間悟らとともに、神仏心霊による困りごとや、彼ら自身の相談をあるべき形にカタヅケる「カタヅケ屋」を営んでいた。
 日々持ち込まれる大小様々な案件を解決する傍ら、渋谷はかつて不審死を遂げた姉・渋谷眞珠の霊をずっと探し続けている…

物語全体のあらすじ



 大阪にある「カタヅケ屋本舗」は神仏心霊による困りごとの他、神仏心霊自身の相談も受け入れる相談所。


 相手に触れることで任意に霊能力を貸与できる力を持つ渋谷 大しぶや だいと、幼馴染みでサポート役の久留間 悟くるま さとる。霊気から過去を読み取ることができる魔本・ポストと、事務所の代表にして渋谷たちの恩師でもある本田 芙蓉ほんだ ふようが、日々持ち込まれる大小様々な案件を、現在あるべき形へとカタヅケることを生業なりわいとしている。


 超高所からの連続墜落怪死事件や、廃村で目撃された妖怪・ぬえの捕獲依頼、ブラック製薬会社の事故死隠蔽事件、小学校の児童集団失踪事件などを解決するかたわら、渋谷はかつて不審死を遂げた姉・渋谷 眞珠しぶや ましゅの霊をずっと探し続けていた。

 霊能がなく、霊や妖怪を一度も見ることのなかった眞珠だが、自殺と言われているその状況には奇妙な点が多く、渋谷は納得していない。

 死後一度も会いに来ない眞珠の霊に、なにか自分に会えない理由があるのではないかと考えていた。


 そんな中、本田の年の離れた妻・財前 美奈ざいぜん みなが学校内で失踪する事件が起こる。


 無事に美奈を霊から救出したカタヅケ屋の面々だが、犯人となった霊は謎の霊から「人間に触れられるほどの霊力を貸与された」と話した。

 他人に霊能を貸与できる渋谷と酷似したその能力に、この案件の黒幕は眞珠に関連しているのではないかと疑惑が持ち上がる。


 生前の眞珠の人柄から黒幕ではないことを信じつつも、もしやこれまでも似た案件があったのではないかと、ここまで受けた依頼を洗い直す。

 すると以前は家庭内のささやかな霊障や妖怪たちからの相談が主な依頼だったのに対し、ここ一年ほど学校に関する怪異や、10代の少年少女が巻き込まれている依頼が急増していることに気付く。


 さらに久留間は、犯人だった霊たちは本来大人しい性格の持ち主だった可能性を挙げ、霊力の貸与と同時に性格が改変されているのではないかと指摘する。


 学校内の怪異や霊障に詳しいトイレの花子さんや、妖怪に関する情報網を持つ色摩 猛しかま たけるなども頼り、その二点をキーワードに情報を集めると、それがちょうど眞珠が不審死を遂げた年から日本海側を北上するように起こっており、現在は太平洋側を南下している事を突き止める。