この作品は「陰鬱で華麗なる二日酔い」をシナリオ化したものです。
URL:https://maho.jp/works/16743963567764522183

あらすじ


 三歳になる年に、夜永よながは父親に連れられて歴史ある名家、不動ふどう財閥の屋敷を訪れる。そこで同い年で不動財閥の跡取りとなる麗しい一卵性双生児、つづりかたりを紹介される。不動財閥の商社に勤める夜永の父親は、気まぐれで我が儘な彼等の“お遊戯相手”として自らの娘を差し出そうと企てていたのだ。何も知らず何も聞かされていない夜永であったが、幸か不幸か、持ち前の淡々とした性格と美しい容姿を気に入られ不動財閥の屋敷に双子のお遊戯相手として雇われる事になる。「両親の安泰の為、両親の幸せの為」そう自らに言い聞かせながら寂しい想いを圧し殺して双子のお遊戯相手を務め続ける夜永は、自分の人生を狂わせた双子への憎悪の念を密かに抱いていた。一方で、そんな夜永の心情を知らぬ綴と語は、彼女に対して激しく狂おしい愛情をそれぞれ抱いていたのだった。


 夜永が初めて不動財閥の屋敷を訪れてから十五年後、大学入学を機に不動財閥の屋敷を出て三人暮らしを始める事となる。歪な関係性のまま幕を開けた生活は、最初こそ順調な物かと思われていたが、次第に綻びが生じ始める。気分の赴くままに執事や使用人を容赦なく解雇する双子の性格を見続けて来た夜永は、心無い彼等によって不要な塵として捨てられるであろう自らの未来を案じ、怯える日々を送っていた。そんなある日、夜永の前に八神やがみという男が現れる。


 八神は三人の通う大学で圧倒的な人気と人望を誇る男であった。双子の歪な愛の支配下に置かれたが故に、全ての行動を制限され、友達一人すら作る事を許されていなかった夜永だったが、八神だけは双子の監視の目が行き届かぬ隙を突き、夜永との接触を果敢に図り「友達になりたい」と申し出る。友達という存在に羨望を抱いていた夜永は、八神の言葉に心を動かされ、やがて二人は綴と語には内密に文通のやり取りを始める。


 自分の人生を陰鬱に染めた双子を恨む夜永。夜永の存在と愛情を狂おしく求める綴。夜永の躰と心を狂おしく渇望する語。複雑に縺れ絡まった三人の心は、八神の登場により更に屈折し、掻き乱されていく。その最中、人の心など知らず、何不自由なく育ったと思っていた綴や語の、酷く繊細な部分に触れる出来事に連続して直面した夜永は、少しずつ双子に対する自らの感情に変化が訪れている事に気付いていく。そんな折、夜永は八神からの手紙で自らの知らぬ衝撃的な過去を突きつけられるのであった…。




※この作品は「陰鬱で華麗なる二日酔い」をシナリオ化したものです。

https://maho.jp/works/16743963567764522183