1970年代、内戦前夜のベイルートで始まる四人の男女の物語。

この作品は「ベイルート四重奏」をシナリオ化したものです。
https://maho.jp/works/15591074771453163865

物語全体のあらすじ


 舞台は一九七〇代前半、内戦前夜のレバノンのベイルート。主人公のハーフィドは相方のシャクールとともにとある組織の工作員として生きている。


 一九四八年のイスラエル建国により、大勢のパレスチナ人が国を追われてから約二十五年。レバノンではパレスチナ難民流入の結果増えすぎたイスラム教徒と、それに反発するキリスト教徒の間の対立が深まっていた。もし勢力争いでイスラム教徒側が敗北すれば、イスラエルのユダヤ人からアラブ人の土地を取り戻すべく闘争を続けているハーフィドの属する組織もその拠点となる場所を失う。そのため二人は、敵対勢力であるキリスト教系過激派勢力の力を暗殺で削ぐために働いている。


 ハーフィドは自らの正義を信じ、命令に従い暗殺を続けていた。しかし暗殺対象である男と言葉を交わしてしまったことをきっかけに、徐々に疑念を覚えていく。自分たちは悪人だけでなく、善良な人も殺めているのではないかと悩むハーフィド。それでもハーフィドは迷いを押し殺し暗殺を続けるが、相方のシャクールの方は割り切ることができず組織を抜けることを決める。

 ハーフィドの叔父であり二人のボスでもあるガァニィは情報の漏洩を恐れ、ハーフィドにシャクールを殺すことを命令する。ハーフィドはためらいながらもシャクールを銃で撃ち、シャクールはそれを受け入れて死ぬ。


 シャクールを殺し精神が不安定になったハーフィドは、ラティーファという仲間の一人である女性と恋仲になることで何とか工作員を続ける。

 しかしある日ハーフィドはイスラエルの諜報員を殺そうとした際に、ラティーファが二重スパイであることを知る。

 すぐにハーフィドが会って問いただすと、ラティーファはあっさりと裏切りを認め、さらにハーフィドのボスであるガァニィもまた自らの利益のために偽りの命令を出していたことを暴露する。

 自分が命令によって暗殺してきた人々の多くは無実であったことを知らされ、ハーフィドは混乱しラティーファの前から立ち去る。そしてガァニィの事務所を訪ね、ガァニィになぜ裏切ったのかを問う。するとガァニィは開き直り、自分は最初から野心で行動していたのであり、そこに正しさを感じたのはハーフィドの勝手な勘違いであると答える。


 自分の間違いを認めつつも引き返すことができないハーフィドは、ガァニィを撃とうと銃を構える。しかしそこにラティーファが現れ、ハーフィドを撃ち殺す。同じ裏切り者同士、ラティーファとガァニィは協力関係にあった。

 数か月後、ガァニィから報酬を得たラティーファはアメリカに旅立つ。ハーフィドは死んだが、ラティーファの人生はまだまだ続く。




この作品は「ベイルート四重奏」をシナリオ化したものです。

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