タイムリミットはとっくに過ぎている

作者稚智

 女子高生の宮美は校舎裏で告白していた。振られて帰ろうとすると誰かに呼ばれる。振り返っても誰もいない。その一瞬あと、危うく植木鉢が頭に直撃する寸前の所に落ちてくる。無事に帰宅する宮美だが、実は宮美はその植木鉢で死ぬ運命だった。

 高校一年生の上水流宮美は幼馴染の富田茜に見守られ、幼馴染で野球部のエースの柿木浩市に告白するも振られる(浩市はただ照れているだけ)。浩市が去った後、宮美は誰かに名前を呼ばれる。振り返ってみるもそこには誰もいない。気のせいかと思ってもと来た道に一歩進むと、目の前に植木鉢が落ちてきた。危なく頭に直撃する所だった。

 しかし、本来宮美はその植木鉢で死ぬ運命だったことを後から知ることになる。

 宮美は植木鉢が落ちてきたことを浩市のファンの脅しだと思い、幼馴染三人で家に帰る。宮美は母親からお使いを頼まれ、近所のスーパーに向かった。その途中、和装の青年が前から来る。初対面のはずなのに宮美の本名を言う彼は戸惑う宮美の手を引いて、異空間へと宮美を連れて行く。たどり着いたのは、江戸時代のような長屋が並ぶ狭間町というところだった。

 狭間町はあの世とこの世の狭間にあるいつでも夕刻の町。死ぬはずだった運命の人間が集う町だ。

 宮美は青年・星慈に交番である町奉行に案内される。そこにいた春夜に狭間町は運命だけが尽きて肉体だけが残っている人が寿命まで生活する町だと聞かされた。そこでやっと、自分の運命が尽きたことを理解する宮美。納得できないが、帰る手立てはなかった。

 星慈は反対するが、手に職もない宮美は町奉行の仕事を手伝うことになる。町奉行の仕事は町の見回りだが、他にも特殊な仕事としてユガミを退治することがある。実は宮美の運命が変わったのは運命を歪める怪物ユガミが原因だった。助けてくれたのだから、いいものだと宮美は思うが、星慈は消滅させなければならないと言う。

 二人はユガミを追って、橋を渡って現代へと向かう。

 帰ってきた宮美は人の目に映らなくなっていた。少し時間が経ったそこで、自分が行方不明になり事件に巻き込まれていることになっていることを知る。目撃者の証言で神隠しになっているとも、学校では噂されていた。

しかし、それを信じないのが茜と浩市だった。手掛かりがない中、警察も匙をなげるが、二人は目撃者を募るため、ビラを配ったり、SNSを使って情報を集めたりしていた。それを見て、宮美は胸を苦しくさせる。

 一方、宮美を救ったユガミは宮美に植木鉢を落とした郷原に憑りついていた。憑りつかれたのは、宮美のことが好きな男子生徒で、浩市を恨み、宮美がいなくなったことにいら立っていた。ユガミはいら立ちを増大させ、郷原を使い運命を歪ませようとする。

 宮美と星慈は、ユガミを消滅させようと奔走する。