転生悪役王女には聖遺物チートがあるので絶対に大丈夫!?

作者しっぽタヌキ

この作品は「転生悪役王女には聖遺物チートがあるので絶対に大丈夫!?」をシナリオ化したものです。
https://maho.jp/works/15591074771453582426

物語全体のあらすじ


 セレスカヌア王国、第一王女エルティナ。それはとある有名な漫画の悪役の名前だ。美貌だけが取り柄の我が儘で残酷な王女。「食事がないなら、お菓子を食べればいいじゃない」と笑い、「あなた、いらないわ」と言って、処刑を命じるシーンはすべての読者の敵であった。

 女王制の国でただ一人の後継者。驕り高ぶっていたエルティナだったが、女神の生まれ変わりと称される主人公の少女に負け、国を追放される。我が儘に育った王女は追放された土地での生活に馴染めず、王女であることを名乗ってしまう。その結果、恨みを持っていた農民に嬲り殺しにされるという末路の王女であった。


 そんな王女に転生してしまった元・日本人。

 結末まで知っていた彼女は、生まれ変わりに気づいた瞬間、呟いた。


「わたし、しんじゃうの?」


 混乱した彼女を、女神は見捨てていなかった。聖遺物と呼ばれる、神器を分け与えたのだ。

 それは――


「すまほ?」


 そう。スマホであった。

 女神からの贈り物を受け取った彼女はそれを駆使し、自分の未来を変えて――


 ――いかなかった。


 どんな仕組みかはわからないが、女神の神殿のそばではwi-fi接続され、いくらでも通信ができる。繋がるのは転生前に使っていた、お馴染み日本のインターネット。アプリも取れるし、神殿に捧げものをすれば課金もできる。

 しかもエルティナは王女である。

 だれかに命令されるということもなく、資金は潤沢。さらに転生前の知識により、基本的な勉強はできるため、天才児としてちやほやされ、監視も緩かった。


 そうなればもう、ソシャゲ廃人一直線。

 神様がくれたボーナスステージ!


 女王になりたい、主人公の少女に勝ちたい。

 そんなことは露ほども思わなかった。

 将来、主人公の少女に追放されることを見越し、地方への追放ではなく、神殿への幽閉になるように働きかける。

 wi-fi接続は守り抜くのだ。さらにお金を貯めておいて、神殿でガチャできるようにしよう!

 そう決めたエルティナはとくに我が儘にも残酷にもならず……ただただ、ぐうたらであった。

 溺愛してくる専属騎士のアルクードをのらりくらりとかわしながら、その日を待つ。


 さあ、主人公の少女がやってくる! あとは断罪されるだけ!


 16歳の誕生日。

 シナリオ通りに追放を命じられると思っていたエルティナは、覚悟をして女王の元へと歩いていく。

 そして、告げられたのは――


「執務サボるのまじ卍。ちょっと田舎に視察に行ってきて。ワンチャン。ガチャしたいなら、自分で稼ぎなさい」


 は? え、いや、え? 主人公どこいった? は? え? へそくりも没収? いやだ、困る。 お金なくなるの困る。

 漫画の主人公はなにしてるの!? 私の運命はどうなったの!?


 ――運命を変え、悠々自適の生活のため! 聖遺物(スマホ)片手にがんばります!