チャイルドレジスタンス【完】

作者吉森 朔

捨てようとした人生を兄ちゃんに強引に掴まされてから、九年。過去を捏造して手に入れた平穏に囲まれている。でも彼女だけは、偽物じゃない。俺も留梨と結婚したい、と喉元まで出てきたけれど、言えなかった。

チャイルドレジスタンス

 俺たちは結局のところ、寂しさを埋め合ったんじゃない。寂しさを埋めたくて一緒にいたんじゃない。誰にも打ち明けたくない何かを持った孤独な者として、寂しいと寂しいで、寒くて凍えているところを埋めずに、失わずに、変わらずにいたかった二人だった。