優しくて、冷たくて、よわい人。そんな人に出会えたら、この作品を絶対思い出すはず。ギャップがあって、年下なのに大人っぽい見方ができる、沢山の魅力に溢れた未弥くん。そんな彼の面影をその人の中に探してしまって。きっと、「知りたい」というwantで心が埋め尽くされて、嫌でもその人に恋に堕ちちゃうんだろうな。そこまで妄想が膨らんだ後、恋のため息を零しました。
 ”幸せ”っていうのは、共に時間を過ごしていく中で、自分らしくいられて、自然体で笑えて、その人といる自分を好きになれることなのかな、なんて感じました。私は、そんな二人の関係が堪らなく好きです。一緒にいることで小さな幸せを見つけられる、温かい空間が大好きでした。深い話ができるところとか。でも、子供の好奇心のままに行動するところとか。二つの面を持ち合わせた彼らに惹かれていました。まさに、バニラの煙草。ずっと二人を見守っていたい。そんな風に思わずにはいられない世界観でした。
 繊細な美文が心地よくて、暫くの間、読了後の余韻に浸って、夢想していた。至福のひと時を過ごすことができて、感謝でいっぱいです。またいつか、彼らに会いに来たいと思っています。だって、彼らのぜんぶが欲しいから。
 素敵な作品をありがとうございました