わたしは、毎年お盆のあいだだけ天国からかえってくる4年前に死んだ彼、あきらに会って、デートする。あきらは、実体がない幽霊だけど、「すぅ、はぁ」と息を吸って吐く〝ふり〟をする。まるで生きているみたい。
 あきらはわたしを笑わせてくれる。楽しませてくれる。いつまでも、変わらずに……たとえ幽霊だとして…

 生きていたときとは、すべてが変わったんだよ、あきら。

 変わらないことは、ひとつもないんだよ、あきら。



 たしかに、過去は変わらない。

 つらかった日々も、しあわせだった日々も。

 いつまでも、変わらずに、ずっと花を咲かせてくれる。夢を見させてくれる。



 でも。未来はちがう。変わってゆく。

 あのときとは、ずいぶん変わってしまったの。

 


 みんな、成長していく。

 世界も、変化していく。



 昔はできていたことが、いまは何もできない。

 いままでどおりにはできなくなって、ストレスだよね。



 そんな中で、いつまでも、わたしたちだけ、4年前。

 4年前の世界に居続けることは、とても素敵なことだと思うよ。



 しあわせ、だと思うよ。



 でもね。



〝ふしあわせ〟が潜んでいるんだよ。