物語全体のあらすじ


 舞台はこことは違う世界。人とそうでないものとが共存する世界。いわゆる異世界と呼ばれる場所に、顔面凶器の料理人が落とされる。


 某日、新米料理人の鬼島はトラックに引かれてしまう。目が覚めたとき視界に入ったのは眠る真紅のドラゴンであった。恐怖にかられた鬼島は慌てて森の中に逃げ込む。無我夢中で走る彼の目に映るのは獣人、妖精、七色に輝く蝶などファンタジーの住人たち。森から抜け出て大きな街に降りたとき、彼は自分が異世界に飛んでしまったことに気がついた。

 職もない、金もない、雨風しのぐ家もない。路頭に迷っていた鬼島の前に謎の男が手を差し出してくる。男の名前はレイ・ヴィンセント、世界最強の魔法使いである。


 レイは森の中でレストランを営んでいた。彼は自身の仕事場に鬼島を連れていくと彼の身の上を話させる。全て話終えた鬼島に魔法使いは重々しく「私にも、帰しかたは分からない」と告げた。そして「私が分からないだけで、この世のどこかに方法があるかもしれない」とも。鬼島はレイの職場に身を起きながら元の世界に戻る方法を探すことにした。


 出勤一日目に店員と顔合わせをすることに。そこでエルフのフィーネとスライムのルルと出会う。元々料理人のはしくれであった鬼島は難なく仕事をこなしていく。昼の仕事に慣れてきた頃には夜勤も経験するはこびになり、そのとき吸血鬼であり副店長のディアスとコアラの獣人のマイクと言葉を交わした。日がたつにつれ鬼島は徐々にこの世界に溶け混んでいく。


 そんな鬼島の様子を見て「そろそろ動こうか」とレイは提案する。元の世界に戻る方法について本格的に調べ始めた。数多の種族が共存するイルメス王国、江戸時代のような町並みの仁ノ都、実り豊かな灼熱の大地マグノリア、妖精たちの汚れなき園グリーンフィールド、海底都市アクアリスタ、魔王が治める不毛の国アルマゲータ帝国などなど食材調達も兼ね世界中の文献を見て回った。その土地その土地の初めて目にする料理に鬼島は目を輝かせる。しかし、新たな出会いをえることはあっても帰る方法だけはなかった。


 そして最後に訪れた極寒の土地エターナル・ヒストリアで鬼島は元の世界に帰る方法を知る。しかしこの異世界が大好きになってしまっていた鬼島は迷っていた。うじうじ悩む鬼島は周りに喝を入れられる。その結果彼がした選択とは――。