家族だからって呪いに、いつまでも僕ら囚われているね。
だいきらいなあの女が結婚したひとは、みるからにひとのよさそうな、柔和な写真家だった。僕らは、愛を知らなかった。だから、理想ってものを掻き集めて、みようみまねで、やってみている。
家族って、難しい。普通って、難しい。あたりまえの家族の形を問う、愛…





「知樹のおなかに、火傷のあとがあるでしょう?」


 僕は一体、どっちに嫉妬しているんだろう。

 紛れもない、嫉妬だった。




「頭でっかちの、クジラみたいな」




(知らないの?)




 家族なのにどうして。

 からだじゅうが、なんだか痛い。

 僕は全く、知樹さんのことを理解していなくて、

 いつも、みえない誰かが僕を責める。


 家族なのにどうして、って。