この作品は小説『死神サマと幸せの唄』をシナリオ化したものです。
https://maho.jp/works/15591074771453338983

【物語全体のあらすじ】


 死神の仕事は『幸福』な人間の魂を奪うこと。魂の持ち主が生前幸福であればあるほど、その命を奪った死神は優秀であるとされていた。


 そんな中、死神として最も地位の高い『上級死神』への出世のため、ある試験を受ける死神がいた。

 彼の名はロイ。

 美しい男の死神である。彼は上級死神になるため、人間界へ向かっていた。

 この試験では、『魔法の鏡』を一番最初に拾った人間の魂を奪うという決まりがあった。人間を見下しているロイは、恵まれた貴族にその鏡を拾わせるつもりでいた。そうすれば、すぐに幸福な魂が手に入ると考えたのである。


 しかし、『魔法の鏡』を拾ったのは見るからに不幸そうなホームレスの少女ダリアだった。

 ロイは、見るからに不幸そうな彼女の魂を奪っても価値がない、このままでは自分は出世できないと絶望した。


 計画を崩されてふて腐れるロイだが、ダリアは意外にも協力的だった。

 今まで誰にも必要とされたことのないダリアは、絶望していたロイを助けたいと思ったのである。

 ロイはそんな彼女に一瞬困惑するが、出世がかかっているのでやるしかなかった。ロイはダリアを幸せにして、そのあと魂を奪うことを決心する。


 ダリアは家もなく家族もおらず、コソ泥のようなことをして生活していた。

 ロイはこのままでは幸せにはなれないと思い、彼女を磨き上げ、教育することにした。

 そしてその途中、彼女がとても美しい声で歌う姿を知った。ロイはその声に魅了され、歌売りをさせることにした。


 街中で歌売りを始めたダリアは、すぐに評判となった。そしてある日、劇団の経営者である貴族の青年ハロルドにスカウトされる。

 貧しかったダリアの生活は一変し、幸せへの道を徐々に歩み始めた。


 彼女が幸せになればなるほど、彼女の死は近づいていく。ダリアの覚悟はできていた。だがロイはダリアと過ごすうちに、彼女の魂を奪うことに戸惑いを覚え始めた。


 残された時間は残りわずか。ロイは自分が欲しているものが、もはや彼女の『魂』ではなく彼女の『未来』になってしまったことを自覚する。


 彼は果たして魂を奪えるのか。不幸だった少女は皆に愛される美しい歌手へと成長し、冷徹だった死神の心が揺れ動いていく……。



【元小説のURL】

https://maho.jp/works/15591074771453338983