俺様系和服社長の家庭教師になりました。

作者蝶野ともえ

一葉 翠(いつは すい)は、とある高級ブランドの店員。
 ある日、常連である和服のイケメン社長に接客を指名されてしまう。

 冷泉 色 (れいぜん しき) 高級和食店や呉服屋を国内に展開する大手企業の社長。普段は人当たりが良いが、オフや自分の会社に戻ると一気に俺様になる。

 「君に一目惚れした。…




   プロローグ




 翠(すい)は、お婆ちゃんが大好きだった。

 日本語が苦手だったお婆ちゃんに私が日本語の先生になり、その代わりに、お婆ちゃんが魔法の言葉を教えてくれた。


 それの言葉は、翠が普段は耳にしない不思議で神秘的な言葉だった。とても綺麗な音で紡がれており、翠はひとつの言葉を覚える度に大喜びしていた。


 お婆ちゃんが亡くなってからは、さらに魔法の言葉は大切なものになり、その後も一人で勉強を続けていた。



 お婆ちゃんは、ずっとずっと魔女だと思っていたけれど、それは子どもの頃だけではなくなっていた。



 魔法の言葉は、翠の日常をがらりと変えるきっかけを作ってくれる事になったのだから。