実の父亡きあと、中納言である叔父のもとに引き取られた、鈴原家の大君・紅鶴(とき)。
彼女の身体には醜い傷痕があるために、叔父の家では常に人目に触れぬようにと塗籠に秘されていた。
政略の役に立つこともできない紅鶴は、初恋の陰陽師の少年との思い出を胸に秘めながら、死ぬまでひっそりと暮らすつもりであった…