恋愛下手な年下研究者の実験体になりました。

作者蝶野ともえ

十七夜 夢(かのう ゆめ)は普通のOLだったが、幼い頃の、事故で左手が少し不自由だった。そして、右手には秘密があった。
右手には光る石が事故の時に傷の中に入ってしまっていたのだ。

それを知った研究者である皇 律紀(すめらぎ りつき)が夢の右手の石に興味をもち、実験をしたいと言ってくるが………。






   プロローグ






 キラキラと光る宝石。

 それは、女性ならば1度は夢見る、憧れのもの。



 夢は小さい頃から、宝石である鉱石が好きだった。アクセサリーも好きだけれど、鉱石のままの姿を見ていると安心したのだ。


 そして、幼い頃の事故があってから、その気持ちはますます大きくなった。


 右手にある光る石と、何故か持っていた鉱石のキーホルダー。



 それが夢の大切な物になっていた。



 この鉱石が、夢の日常を少しずつ変えていく事になるのを、夢自身はまだ知るはずもなかった。





 けれど、キラキラと輝く石だけは知っていたのかもしれない。