怪異を嗜む白銀の魔法使いは奈落で嗤う ~妖とり怪奇譚 登別煉獄事変~

作者万業破印

 魔障溢れる街に銀色の少女が現れる。これは少女と魔障との戦いの物語。大禍時が登別の街に影を落とす。闇に包まれ魔障どもが街を跋扈するとき、銀色の少女が現れる。魔障探偵 明野リン。ただ働きはしない主義のただの魔法使い。すべての謎が解き明かされるとき、魔障を滅ぼす銀糸が闇を切り裂く。それは希望か絶望か。…

 明野リンは世界で十二人しか存在しない始祖の魔法使いの一人。白銀の魔法使いである。リンは魔障探偵なる怪異事件専門の探偵業を営んでいた。ある日、魔導ギルドから依頼が舞い込んで来る。登別市の地獄化現象を阻止せよ。質の悪い冗談だとリンは思った。何故なら依頼難度が国家滅亡の危機が予想されるコードAAAだったからだ。リンが調査先の登別市に到着すると、そこで驚くべき光景を目の当たりにする。登別市の上空に巨大な大釜が逆さまになって出現していたのだ。大釜より降り注ぐ瘴気が街を覆い尽くしていた。それが地獄化の原因であることは一目瞭然。あれはまさしく地獄の大釜。あの蓋が完全に開かれたときこの街は終わる。滅亡の規模は登別市だけにとどまらず北海道という大地すべてが地獄と化してしまうだろう。調査を進めリンはこの街にはびこる邪悪の存在に辿り着く。大釜を消し去るには各地に出現した地獄の門を閉じる必要があった。リンは仲間達と協力し合い邪悪な存在を滅ぼすことに成功する。だが地獄の門を閉じるには誰かが犠牲になって内側から閉じるより術がない。愛しき者の命と引き換えに地獄の門は閉じられた。その代償はあまりにも大きかった。