「それなら、僕達三人で付き合えばいいんだよ!」

 実家はお隣さん。両親も仲良し。生まれた日も一緒。むしろ仲が悪くなるのが難しい環境で育った、小名川アリスと、双子の虎杖燐と剛。
 中学の卒業式後、家族同然に育ってきた双子から同時に告白され「2人のどっちかを選ぶなんてできない」と答えたアリス。この…


「じゃあどっちか選ぶんじゃなくて、3人で付き合おうよ!」


 実家はお隣さん。両親も仲良し。生まれた日も一緒。むしろ仲が悪くなるのが難しい環境で育った、小名川アリスと、双子の虎杖燐と剛。

 中学の卒業式後、双子から同時に告白されたものの「二人のどっちかを選ぶなんてできない」と答えたアリスに対して、二人は「選べないなら、今まで通り三人でいよう」というとんでもない提案をしてくる。

 三人の関係を壊したくないという思いと、二人の熱意に根負けして、その提案を受け入れたアリス。てっきり今まで通りの日常が続くと思っていたが、

「俺とデートするの嫌?」

「僕とチューするの嫌?」

「……セックスするの、嫌?」

 と、双子は急速に関係を深めてくる。

 最初は戸惑いながらも、彼らに何をされても嫌悪感がない、むしろ嬉しいと感じている自分に気付き、アリスは二人への好意を自覚していく。


 こっそりと、しかし順調に三人での交際は続く。二十五歳になった現在、アリスは映像編集系の仕事に勤める社会人二年目、燐はキックボクサー兼格闘家として頭角を現し始め、剛は人間工学を学ぶ大学院生兼人気YouTuberとなる。

 大学卒業と同時に三人は同棲を始め、邪魔の入らない空間で愛を育み始める。一見なにも困ったことなどない、幸せな生活を送っている様に思えたが、アリスは二人に言えない悩みを抱えるようになっていた。


 社会人になったアリスは、改めて燐と剛の人気を実感する機会が増えた。大手ゲーム会社とスポンサー契約を結んだ燐、チャンネル登録者数が五百万人を超す剛。テレビやブラウザ越しに、自分より遙かに美人な女優や可愛いアイドルと一緒に仕事をしている二人を見て、自分は二人に釣り合っているのだろうかという不安。

 仕事ではウェディング関連の映像を制作する機会もあり、今まで気にしていなかった結婚や子供。所謂【一般的な幸せ】を意識するようになり、本当に三人の関係は今のままでいいのか悩み始める。


 そんなある日、アリスの勤める会社が突然の倒産。直後に、剛の身に覚えない熱愛報道が世間を賑わせる。

 アリスはこの二つの出来事で、溜め込んだ悩みや不安が暴走。双子と生まれて初めての大喧嘩をして、双子と一旦距離を置いて実家に戻る事を決意。


 実家に戻ったアリスに、元同僚から電話がかかってくる。なんでも、転職先の上司がアリスの手掛けた映像をいたく気に入り、是非とも会いたいと言っているらしい。

 このまま家で鬱々としていても仕方ないし、次の就職に繋がればと思い、アリスはその上司と会うことに。


 後日、指定されたカフェに到着したアリスを出迎えたのは、燐がスポンサー契約を結んでいる大手ゲーム会社【G-games】の若きイケメンCEO、鬼龍・ジョゼフ・啓一郞で――