盃藩地剣 ~関ヶ原決戦 戦姫惨歌~

作者万業破印

 ある日突然、日本という国が異界に転移してしまった。そこは一言で地獄と呼ばれた世界だった。そこに現れたのは一人の少女とそれに付き従う侍集団。少女の名は徳川千。ただの女子高校生である。これは、国を救う為、武神を従える異能を有した少女たちの戦いの物語。

             物語全体のあらすじ       



 ある日突然、日本という国が異界に転移してしまった。そこは一言で地獄と呼ばれた世界だった。


 日本中に暗雲が立ち込め、まず北海道との通信が途絶する。その直後、青函トンネルから異形の怪物が本土に来襲し、次々と日本全国が蹂躙されていった。


 襲来した敵の名は『獄獣』。日本という国に憎悪する悪意が具現化した存在である。奴らの目的は日本の滅亡それのみである。


 そこに現れたのは藩姫と呼ばれる一人の少女『千姫』。それに付き従う侍たちは『藩神』と呼ばれる武神である。


 千姫はかの徳川将軍家の血筋を引くごく普通の女子高校生。彼女が率いる侍は人間ではない。かつて江戸時代に日本各地に存在した『藩』の魂が武神に宿り現世した姿。彼らを総じて『藩神(はんし)』と呼ぶ。日本各地に隠されている『神の盃』を手にした徳川家の血脈者のみが藩神と契約を結ぶことが可能なのだ。徳川千は奈良県で柳生藩の研究をしている最中、偶然盃を発見し『柳生藩神三巌』と契約を結ぶに至った。


 これは、国を救う為、武神を従える異能を有した少女たちの戦いの物語。


 だが、新たな藩姫が現れることによって、物語は藩姫対獄獣の構図にとどまらず、人類同士の争いに転じる。千姫以外の藩姫たちは己が日本の女王となるべく野心を剥き出しにしたのだ。

 人は同じ脅威に対して、互いに手を取り合うことも出来ない愚かな生き物なのだろうか。

 日本を救う為に存在するはずの藩姫たちは己が欲望の為、その刃を獄獣にではなく同胞である藩姫に向ける。

 千姫は苦悩しながらも、戦い、説得し様々な藩姫を仲間に迎え入れる。だが、説得に応じない藩姫たちに対し非情の決断を下した。


「関ヶ原で決着をつけましょう」と。


 こうして、千姫は獄獣と戦いつつも同胞である藩姫たちと戦わざるを得なくなった。これも全ては故国を守るため。

 千姫は自らを『戦姫』と称し、暴走した藩姫たちと獄獣の両方と激戦を繰り広げる。

 そして、全ての藩姫たちが関ヶ原に集った時、最終決戦が始まった。


 関ヶ原の上空に、姫たちの惨歌が響き渡る━━。