とち狂った異世界に招かれた女子高生の、行きて帰る予定の物語。
この作品は「狂王が支配する異世界にいた、運命の人は不憫でした。」をシナリオ化したものです。
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物語全体のあらすじ
舞台は中華風ファンタジー世界。ジャンルは異世界転移もの。
異世界にやって来てしまった女子高生・野々山七瀬。七瀬はその世界で神聖な客人として歓迎されるが、そこは美しい自然とは裏腹に、国王の独裁による恐怖政治が行われていた。
処刑と洗脳を駆使する猟奇趣味の狂王ディオグにドン引きしつつ、彼に虐げられる従臣の青年リウンに心惹かれる七瀬。
リウンはディオグに洗脳されている青年である。ディオグを恐れて絶対服従しているが、その命令によって人を殺したり傷つけたりすることについて葛藤を抱えている。ディオグによって故郷を奪われたリウンには、七瀬と違って帰る場所はない。
七瀬はリウンを、その不憫な境遇から救いたかった。
だが自分は無力な客人でしかないと自覚している七瀬には、帰れる日を待つ以外にできることはない。
そして二週間後、七瀬は当初の予定通り元の世界に帰ろうとする。
しかしそのとき狂王ディオグが現れ、七瀬に刃を向ける。実は異世界からの来訪者が吉兆を意味するというのは七瀬を安心させるための嘘であり、七瀬はもてなされた後は殺されて王の長寿のための薬として食べられる存在であったのである。
ディオグに殺される寸前の七瀬を助けたのは、リウンであった。七瀬がリウンに惹かれていたように、リウンもまた七瀬に好意を持ってた。リウンは七瀬のために、ディオグを裏切ったのだ。
ディオグ「七瀬は殺されなくてはならないと、王の僕が言っている。リウン、僕に逆らうの?」
リウン「ナナセはこの世界とは関係ない人です。だから絶対に帰します」
リウンは七瀬を逃がすためにディオグの差し向けた兵と戦い、重傷を負う。
七瀬はリウンのおかげで現代に帰ることが可能になったが、瀕死のリウンを放って現代に帰ることはできなかった。
七瀬「私、あなたに何もできてないのに」
リウン「いいんです。ナナセは、俺のことをずっと心配してくれました。なぜ、他人の俺のことをこんなにも考えてくれるのか。不思議でしたが、でも嬉しかったんです」
七瀬「そんなの、私じゃなくたってそうするから」
リウン「でも、あなたでした。俺がこの十四日間仕えてきたのは、他の誰でもないあなただったんです」
七瀬「だからって、死ぬ理由にはならないでしょ」
理不尽な世界を変えることはできなくても、リウン一人は幸せにしたいと七瀬は思う。
そして七瀬は、ある選択肢を選び取る……。
この作品は「狂王が支配する異世界にいた、運命の人は不憫でした。」をシナリオ化したものです。