唐朝宮廷演義 〜新米宮女 白琳のお仕事奮闘記〜

作者いちごだいふく

女の子は いつの世も
恋に憧れ
恋に戸惑い
恋に学んで 大人になるー。

おとぎ話よりもはるか昔。舞台は中原に燦然と輝く唐の国。

白琳(はくりん)は父の地方転勤を機に、宮廷女官として奉職を始める。

社会勉強の一環として始めた仕事だが、上司や同僚に恵まれ、白琳は一人前の官吏として周囲に認められる…

「物語のあらすじ」


古の大陸にその名を轟かせる、大唐帝国。

その都に住む白琳はくりんは恋に憧れる、武道の達人という点以外は普通の女の子。

彼女は父の地方転勤を機に、宮中の実力者である祖母の當大君とうたいくんに願い出て、宮廷女官として奉職を始める。


配属先は大理寺(最高裁判所)。

初めは単なる雑用係だったが、持ち前の明るさと体力を評価され、小卿しょうきょう(次官)付きに抜擢される。

優秀な上司、杜明とめいに感銘を受けた彼女は仕事に受け身だった態度を改め、真剣に取り組むようになる。

業務が円滑に進むよう他部署と連携したり、進んで律令法律を学んだり、率先して動く彼女は徐々に周囲の信頼を得ていく。


仕事の面白さも見え始めた、ある日。

お遣いに寄った市で、白琳は不穏な現場に遭遇してしまう。

気づいた男に腕を掴まれ、驚いた白琳は咄嗟に男を投げ飛ばしてしまう。事情を聞けと、いかがわしい店に連れ込まれた彼女は口論の末、店を飛び出す。

翌日、来客対応中の上司に呼ばれ部屋に入るとそこには昨日の失礼な男、薛景せつけいがいた。

投げ飛ばしたことをバラされそうになり、何でもすると言ってしまった白琳に、彼は自分の下で働けと言う。


大好きな大理寺を泣く泣く後にし、東宮右春坊とうぐううしゅんぼうに参内した白琳。早速薛景に馬鹿にされた彼女は、憤慨しながらも関係各所へ挨拶に回る。そこで彼の悪評を目の当たりし、負けてなるものかと奮起する。

初めは反感を持っていたが、大義を貫こうと孤軍奮闘する彼の姿に徐々に見る目が変わっていく。

二人は嫌がらせや無理難題を協力して乗り越えるうちに、いつしか同志として、そしてそれ以上にお互いを思い合うようになる。


しかしその頃、次期皇帝の座を巡って兄弟間の攻防が激化し、宮廷は不穏な空気に覆われていた。


どちらも本当の気持ちを言い出せない中、事件が起こる。

太子の暗殺未遂。以前、弟の秦王に仕えていた薛景に疑いがかかる。

捜索の結果、無実を証明した二人。魏玄ぎげんは心情を察し、薛景の尻を叩く。


魏玄に太子の快気祝いの宴席に誘われ、白琳は着飾り参加する。そこで太子に目をつけられてしまい、奥に連れ込まれる。

貞操の危機に薛景が乱入し、許嫁だと言って白琳を連れ出す。

何も言わない彼に白琳も真意を確かめられず、その夜は別れる。


そして運命の日。

薛景は自分の思いをしたためた文と共に、大君に白琳を託す。

簪を握りしめ、彼の無事を祈り待つ白琳。

秦王のクーデターは成功し、翌朝、大君の元に来た使者に白琳は駆け寄る。