ノスタルジック・ジャーニー Prologue 青き血の少女 〜聖アンティクウス教団魔法魔術学院〜

作者アヤメリナ

ーー逢いたかった。

記憶のない少女は世界を視る為だけに存在していた。少女のはじまりはひとりの男だった。

「そんなに大事に囲って、虚しくはならないの。あの子は何も覚えていないのよ」

「あれは私の未練だ。覚えていようとなかろうと、そんなことは些末な問題に過ぎない」

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少女が目覚めたのは

夢みたいに真っ白な部屋だった。

そこにいたのは

影みたいに真っ黒な男だった。



「あなたは誰ですか?」

「セス・グレイウッド」


「ここはどこですか?」

「聖アンティクウス教団魔法魔術学院」


「私は誰ですか?」

「リザナル・イリウス」



少女は何も分からなかった。

唯一の道標は

男が示してくれる言葉だけ。



「君は、この世界に

ただひとかたの予見者だ」



まばゆい銀糸の髪と

サファイアの瞳を持つ

まみえる者。

遠視の魔女といわれる

イリウス家の末裔

最後のひとり。


これは

焦がれる少女と焦れる男の

最初の物語。



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 聖アンティクウス教団魔法魔術学院へ入学することになったリザナル。しかし目覚めたばかりのリザナルに一人で準備できるわけもなく、兎にも角にもグレイウッドを頼るしかない。


 リザナルは右も左も分からないどころか前も後ろも天地すら不明なトンチンカン。世話役のグレイウッドに恐ろしく溜息を吐かれまくるすっとこどっこいな日々がはじまった。


 入学式まであと二か月足らず。


 ORBオーブとは、ルジェルとは、予見とはーーこれは少女が世界をるための長い長い旅。