「はぁ? 私がヒロイン!? 攻略対象と自分の恋愛(夢展開)はガチで地雷なんですけど!?」


 男爵令嬢ユリア・ド・ラファイエットは、高等部入学の日の朝に、突然前世の記憶を取り戻して、ここが乙女ゲームの世界であることを理解する。

 そして、今までの自分の人生が、そのシナリオと設定どおりであることも。


 前世では、このゲームにハマり倒して、せっせと同人活動に精を出していた。それも、ヒロインも悪役令嬢もそっちのけで、攻略対象同士の腐系二次創作。ぐぅの音も出ないほどの完璧に腐ったヲタクだった。


 すごい! 異世界転生ものは死ぬほど読んだけど、まさかそれを体験できるなんて!

 しかも、大好きな乙女ゲームの世界! こんなの究極の聖地巡礼じゃない! クラスタの夢すぎる!


 テンションが爆上がりするが、実はユリアは『夢妄想』や『夢展開』がガチで地雷の腐系オタクだった。


 待って! 究極の聖地巡礼は嬉しいけど、ヒロインなんて冗談じゃない! イケメンたちの掛け算が好きなのに!


 だが、乙女ゲームはヒロインを中心として回る世界。ユリアの意に反して、次々とイケメンたちとの恋愛フラグがぶち立ってゆく。ゲームのシナリオどおりに。あるいは、シナリオを無視して。違う。やめて。そうじゃない。

 ゲームの記憶を駆使して何度回避しても、ゲームの強制力なのかなんなのか、別の恋愛イベントのようなものが起きてしまう。なんでなの!?



 この『聖地』は堪能させていただくけど、恋愛はお断りです!


 イケメンを愛でながら、イケメン×イケメンの妄想だけしていたい!


 ヒロインですが、申し訳ありませんがどうか私のことは放っておいてください!


 攻略対象のイケメンたちを観察し、その一挙手一投足に萌え倒し、そしてひたすら掛け算妄想をし、それをこっそりと描いて、描いて、描きまくる。攻略対象たちからのアプローチからは逃げまくりながら。

『夢展開』から逃れられるならと、悪役令嬢にも恋愛指南。婚約者の攻略方法を教えて、攻略対象と上手くいくように画策したりもする。


 すべては、自分ヒロインとの恋愛フラグをすべてへし折るため!

 そして、この聖地巡礼人生第二の人生最大限楽しむため!


『腐妄想』にしか興味のない腐っているヒロインが乙女ゲームの世界で、攻略しない・されないために奮闘しながら、日々腐系な妄想と同人活動に精を出し、『聖地』をとことん満喫し倒すヲタク・ラブ・コメディ!