田舎の村に暮らすアメリアは、平和だけど退屈な毎日にウンザリしていた。そんな中、村が謎の集団に襲われて、村人は皆殺しにされてしまう。アメリアも誘拐されそうになるが、間一髪のところで、容姿端麗な男が現れて、魔法で謎の集団を殲滅する。その男はノアと名乗り、黒猫に姿を変えて、アメリアに言った―ー「俺に心臓…

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 主人公のアメリアは、田舎の村で黒猫と一緒に暮らしていた。村人は黒猫と会話するアメリアを不気味がり、アメリアも退屈な毎日に嫌気がさしていた。


 ある日、謎の集団が村を襲って、村人は皆殺しにされてしまう。アメリアを庇った黒猫が殺されて、アメリアは誘拐されそうになる。しかし、間一髪のところで、男が助けに来て、魔法で謎の集団を殺していく。謎の集団のリーダーは錬金術を使い、男は魔法を使って、バトルを繰り広げる。アメリアは見たことない戦いに茫然とする。


 男はバトルに勝利した後、ノアと名乗り、黒猫に姿を変える。アメリアに『俺に心臓を捧げて、完全なる神殺しに協力しろ』と命令する。アメリアは戸惑い、なぜ自分が謎の集団から狙われたのかを知りたがるが、『命令を拒むなら、殺してやる』と脅されて、心臓を捧げてしまう。


 その後、アメリアはノアと町に出て、真相を聞かされる。事の発端は百年も前にあった。


 かつて、この国の民は全て神に従う使徒だったが、神の力を狙った異邦人との戦いで活躍した五人の使徒に、神が力を分け与えた。不公平に感じた一部の使徒は「神を殺して、自分達で国を治めていこう」と提案した。だが、多くの使徒は神に不満を感じていなかったので、一部の使徒は非難されて、国から追放されたり殺されたりした。


 結局、神殺しを実行したのは八人の使徒のみで、殺した神を分け合って食べて、神の力を得た。神を失って、多くの使徒は途方に暮れたが、神から正式に力を与えられた五人の使徒は議会を設立して、自分達は国会議員となって、国を治めた。八人の使徒は神殺しの呪いで黒猫にされたので、神の力を使えず、多くの国民から迫害された。


 しかし、八人の使徒を密かに応援していた一部の国民は、自分達の心臓を捧げて、八人の使徒の依り代になった。そのおかげで、黒猫にされた使徒は人間の姿を取り戻して、神の力すなわち魔法を使えるようになった。


 五人の国会議員は、その強力な魔法を恐れて、使徒と和解して、共に国を治めることを提案した。元老の席を用意された使徒は喜んだが、二人の使徒だけ国政に関わることを拒み、人間から黒猫に戻って、国の奥地に潜んだ。




 ここまで話を聞いたアメリアは困惑するが、更にノアは衝撃の事実を明かす。アメリアとノアの母親が神殺しを犯した使徒であることと、アメリアの父親が国会議員であること、また、アメリアの村を襲ったのは、国会議員が率いる兵士達で、アメリアが母親から受け継いでいる魔力と、アメリアを見守っていた使徒の黒猫の魔力を奪おうとしていたことも明かされた。


 現在、国会議員と元老は対立しており、強力な魔法を使える元老が優勢なため、少しでも戦力を増やそうとした国会議員に狙われたのだろう、とノアは推測する。ノアの目的は『完全なる神殺し』であり、国会議員だけではなく元老も皆殺しにすることである。アメリアは想像以上に複雑で重い事情に怯むが、ノアに心臓を食べさせた手前、引き下がれなかった。覚悟を決めて、ノアの『完全なる神殺し』に協力することに決める。