【ストーリーあらすじ】


27歳彼氏なし休みなし、アラサー社畜人生真っ只中の花苗仁奈子かなえになこは心身ともに疲れ切っていた。何でもいいから癒しをと向けた視線の先でいかにも遊び人っぽい1人の青年を見かける。ふと目があった彼の「お姉さんつかれてますね」の声にぷつんと何かが弾け逆ナンをしたのちにそのままホテルへ。一晩だけだからと動物のように彼を求め身体を重ねた2人だったが事が済んでから放たれた彼、七峰壮汰ななみねそうたの一言に思わず思考を停止した仁奈子。「これで取り憑いてた霊もどっか行っちゃいましたね」


オレンジ髪が眩しい青年は実は九年前まで毎年お盆になると実家で行われる棚経について来ていた寺院の跡取り息子だと判明。偶然にも初恋相手と再会できた壮汰は勢いのままその場で告白、光の速さで断る仁奈子。そんな返答を物ともせず壮汰はこれからもこの関係を続けようと提案する。「家にまで霊がいたら嫌じゃない?俺が除霊してあげますよ」と言われしぶしぶ仁奈子の住むアパートに一緒に帰ることに。


「幽霊はエロいことが苦手」だと言う壮汰にのせられその後もお風呂でマッサージと称しながら性感帯を探られたり、元彼としたプレイを説明させられながら抱かれたり、ある意味関係を深めた日々を過ごしていた。そんな中、飄々として見える壮汰が真剣に話す尊敬する父の姿、寺院に対する思い、跡取りとして期待されているのは兄だけであることへの葛藤など彼の内側を知っていくうちに壮汰に対する自分の気持ちが大きくなっていることに気付く。ただ、六つも年下で一度は振った相手に想いを告げられるほど仁奈子は強くなかった。


意を決して普通のデートに誘うも彼に見合うよう頑張れば頑張るほど見事なまでに空回ってしまう。落ち込みながら帰宅した先で元彼の彗吾けいごと遭遇する。「慰めようか?」と優しく肩を抱かれ部屋に入ろうとした時、駆けつけた壮汰に抱き寄せられ一言「俺の彼女に触んないでよおっさん」


彗吾と別れ彼の言葉の真意を確かめるも、「仁奈子さんは俺のことなんとも思ってないのにね」と勝手なことを言ってしまったと謝られてしまう。「大丈夫だよ」の言葉で喉元まで出かかっていた好きの気持ちを押し殺し仁奈子は1人眠りについた。お風呂から戻った壮汰が彼女の頬を撫でながらこぼした本音を聞くこともなく。


複雑な心境のまま迎えた次の日、2人のもとに住職になるため修行をしていたはずの壮汰の兄が失踪したとの知らせが届いて──