溺愛社長の2度目の恋

作者霧内杳

【追加条件 社長との婚姻】

再就職の面接結果メールを見て、これはなにかの間違いだと思った。
そもそも、あの社長は結婚してたはず。

でも、詳しく説明を求めた私に社長が言い放つ。

「僕と結婚してくれないかい?」

いやいや、意味が全くわからないですよー!?


古海夏音(28)

建築デザイン会…

 夏音は、いままで恋もしたことがないし、この先もずっとひとりだろうと思っていた。なのにようやく決まった再就職先で追加された条件は、社長との結婚。訊けば、社長の天倉は亡き妻をいまだに愛してるが実家の親が再婚しろとうるさく、偽装結婚してほしいらしい。亡き奥様との愛を貫く社長尊い!などと思った夏音は承知する。

 天倉との生活は、ウブな夏音にとってはドキドキの連続だった。偽装結婚なはずなのに本当に籍を入れ、結婚指環も買った。親を欺くためにキスされ、ファーストキスだと告白してしまう。これからもこういうことはあると思うし、処女の夏音にはつらいだろうと天倉は契約破棄を言ってくれたが、上司のセクハラと思えば耐えられると、夏音は拒否。契約結婚生活を続けることになる。毎日、妻への陰膳を欠かさず供えている天倉は尊く、純愛ごちそうさまです!などと、思っていた。その反面、天倉への淡い思いを抱きはじめている自分に気づく。その日、酔った天倉に押し倒され、このままでもいいと思ったものの、天倉の首から落ちてきた亡き妻との結婚指環を見て、現実へ戻り、拒否する。

 新規クライアントである檜垣と何度か打ち合わせの後、天倉との結婚は偽装だと確認された。そうだと肯定する天倉に、檜垣は夏音を狙うと宣言する。

 仕事兼デートで泊まりだった日、酔い潰れて目覚めた夏音は、檜垣と一線を越えてしまったと勘違いする。帰ってきた夏音の様子がおかしいことに気づいているはずなのに、天倉は責めない。それだけ自分に関心がないのだと夏音は絶望し、天倉と別れて檜垣と結婚することを決める。あと僅かな同居生活でも天倉は変わらず陰膳を供えていて、以前は尊いと思っていたそれにイラついた。つい、カッとなって天倉に当たった夏音は家を飛び出す。車に轢かれそうになったところを間一髪で助けたのは、天倉だった。ようやく、自分の本心に気づいた天倉から気持ちを告げられ、夏音はそれを受け入れる。ふたりで詫びを入れたら、檜垣も許してくれた。天倉が妻の墓で夏音と幸せになることを許してほしいと行ってくれ、これからは幸せな日々が来るのだと思っていた。けれど、天倉は実家へ拉致され……。