作者(※私)死亡でエタった恋愛小説を、ヒロインの実質妹として完結させます! の、はずが?

作者ナナカクケイ

この世界、小説家志望だった私(享年24)が書いてた、コーカサス風恋愛ファンタジー『半獣廃太子の花嫁』だわ――!

物語全体のあらすじ


この世界、私(享年24)が書いてたコーカサス風恋愛ファンタジー小説『半獣廃太子の花嫁』だ――!


田中理音(24)は、猫カフェでアルバイトしながら小説家を目指していた。

ある日、アパートが火事になり、小説データの入った外付けHDDを救うべく火に飛び込む。結局、意識を失い――気が付くと「カリネお嬢様」と呼ばれ、自作小説の登場人物になっていた。


状況はちょうど最新話。侯爵令嬢カリネ(16)が住むツヴェート王国と、獣人レオパルド族が統べるリエース王国が、長年の確執から開戦したところだ。


小説では、ヒロインの公爵令嬢スヴェトラーナ(18)とヒーローの半獣廃太子ニキータ(24)が、すべての陰謀を暴いて戦いを止め、結ばれて大団円となる。

ただ、そのプロットは理音の頭の中にしかない。しかも、どう展開させるか悩んで執筆が止まっていた。


ポメラがないので中空にアイディアを箇条書きしていくと、「文字魔法」が発動する。理音がカリネになったことで、小説のジャンルが異世界転生ものに変わったらしい。

ひとまずニキータが幽閉されている塔へ空間移動。ヒロインがすべきムーブを代行して、最悪の事態は回避する。


改めてカリネとして、姉妹同然に育った(し、頑張って書いてきた)スヴェトラーナの花嫁姿が見たいと張り切るものの、プロット通りに話は進んでくれない(よくあります)。


スヴェトラーナは、ニキータとフラグが建たなかったからか、政略婚約しているリエース王太子グリゴリー(19)に気持ちが揺れている様子。

カリネもニキータの不器用な優しさに惹かれてしまう(だって私の性癖を詰め込んだキャラですから! もふもふしたいっ)。前世でアルバイトしていた猫カフェでの経験が思わぬ威力を発揮するも、年齢=彼氏いない歴だったために恋は迷走していく。


その後も、カリネの迎え襲撃事件、父と伯父の過去を知ったグリゴリーの苦悩、スヴェトラーナのまさかの半獣化と、難題に次々襲われる。さらにカリネに婚約の話が持ち上がる(聞いてませ……いや、そう言えばそんな伏線入れていました……)。


もはや、チート:文字魔法を以ってしても収拾がつかない。前世も今も、中途半端な自分に失望するカリネ。だがニキータに、「おまえは半端者なんかじゃない」と慰められて――(そんな台詞、私のプロットにはありませんでしたよ!?)


大切な物語をエタらせたくない。それ以上に、大切な人たちとハッピーエンドを迎えたい。前世では夢を叶えられなかったけれど、今生きている場所でやれるだけやってみよう、とカリネは誓う。そんなとき、ニキータを凶刃が襲う。