この世界には、死にゆく魂を回収する死神と人の誕生に携わる生神がいる。
そして、世界を混沌たらしめる鬼もいる。鬼と呼ばれた少年と心を閉ざした死神の少女は出会い、やがて世界を賭けた闘いへ身を投じるー。

物語全体のあらすじ


この世界には、死神、生神、鬼が存在する。

鬼は、人の魂を喰らうため、

死神は、死に行く魂の回収のため、

生神は、生の誕生に立ち会うため、

それぞれの目的を持ち、人の住む人界じんかいへ舞い降りる。


時は20XX年。日本のどこかにある太上たがみ市にその少年はいた。

西浦智にしうらまさる16歳。

彼は、その昔「凶鬼きょうき」として人々に災厄をもたらした鬼の魂の片割れ「白鬼はっき」を持って生まれ、現在はその体内に封じられている。

おかげで彼自身は、今までなんの変哲もない平凡な人間だと思い生活していた。


現在、智は太上市の中で5本指に入る進学校に通っている。

彼が17歳の誕生日を迎える6月21日の朝、彼のいるクラスに転校生がやってくる。


名前は「角倉真徳かどくらさなえ

教室に入り、自己紹介を簡潔に済ませた真徳は、表情を何一つ変えることなく、じっと智の方を見る。智が真徳と目があった瞬間、智は苦しそうに顔を歪め、胸を押さえていた。


智はこの日、生徒会執行部の仕事のため、夜遅くまで学校に残っていた。

時刻は19時過ぎ。家に帰ろうと鞄を手にした瞬間。智は運命の時を迎える。


魂の封印が解け、白鬼はっきが目を覚ます。

みるみるうちに、鬼の姿へと変貌する智。


その気配を感じて彼女達が動き出す。

結界が張られた教室にいたのは、智のクラスの担任である「加森茂史かもり しげふみ」と今朝転校してきたばかりの真徳さなえの二人。

彼らは、今宵目覚める白鬼はっきを対処するために待機していた。


真徳の正体は白鬼はっきの動向を監視するため派遣された死神・ゼロであった。


対峙する死神ゼロと白鬼はっき。一触即発の状態が続く。


沈黙を破り先に口を開いたのは、白鬼はっきだった。

「人を襲うのにはもう興味がない。お前らの仕事ー鬼退治を手伝おう。」

これを聞き息吹かしむ二人だったが、条件付きでそれを赦すことにする。

それを聞いた白鬼はっきは眠り、智が目を覚ます。


こうして、智は白鬼との共存生活が始まる。


次の日、ゼロは智に改めて名乗り、死神の通常業務についてと個人業務の白鬼の監視並びに人界に住み着く鬼を刈ることを説明する。鬼退治のため、白鬼はっきの力を借りたいとゼロは願い出る。加森かもりが言うには、修行次第では智のまま白鬼はっきの力を使えるようになるかもしれない。「鬼を放っておけば、やがて世界の均衡は崩れ、維持が難しくなる。」ゼロが言うその言葉を聞き、智は白鬼と共に戦うことを決める。その言葉に礼を伝えるゼロだったが、表情は相変わらず微動だにしていなかった。


一方で、かつての凶鬼の復活を目論む「夜月やげつの会」も暗躍する。彼らは凶鬼を「月鬼げっき王」と呼び、世界中の人々が欠片として持つ凶鬼の魂の片割れ「黒鬼こくき」を集め、智の持つ白鬼はっきとひとつにし復活させようとしている。


やがてそれぞれの願を胸に、世界を賭けた闘いが巻き起こる。