傍観者【Onlooker】~サラが見たもの~

作者成巳京


「見て、知って、そして秘める」

 傍観者(オンルッカー)となったサラに課せられたのは、たったのそれだけだったが……。

 サラは男女の乱れ交わる姿を見つめ、心の闇を見つめる。

 そして、そんなサラ自身が真に見つめるべきものとは?

              物語のあらすじ


 急遽、実家からの援助に頼れなくなった専門学生の白隅サラは、学費と生活費を工面するため高収入のバイトを探すが、とはいえナイトワークには二の足を踏む。サラは二十歳にして恋愛経験ゼロだ。スマホで検索を続ける中、サラは『Onlooers』と冠する怪しげなサイトに行き当たり、そこで奇妙な文言を目にする。


『必要とするのは貴女の眼差しのみ。見ているだけで高収入が可能なお仕事です』


 興味を引かれたサラは、さびれた雑居ビルの中の『Onlooers』事務所を訪ね社長の紅谷零子から面接を受けることに。どうしてもお金が必要だと事情を話すと、零子からとりあえず仕事を体験するように勧められた。


 零子に伴われサラが向かった先は、とあるシティホテルの一室。そこでサラたちを出迎えた男女がこの日のクライアントだ。不倫関係にあるという男女はその後、サラの目の前で全裸となり激しく愛し合うことに。他人のセックスを目撃し唖然とするサラに、零子は告げる。


 傍観者オンルッカーの任務はクライアントの情交セックスを一心に見つめること。求められるのは、その眼差しのみ。


 体験を終えたサラは零子から、高額の報酬と引き換えにある約束を持ちかけられ、それを承諾。『Onlooers』の一員になり、傍観者オンルッカーサラが誕生する。


 なぜ傍観者は必要とされるのか。その理由はクライアントの心の闇により様々。不倫をする女性にとっては承認欲求を満たすためであり、またラブドールを愛でる男にとっては空虚な愛を形にするためだった。傍観者となったサラは次第に、彼女ならではの鋭い洞察力を発揮しはじめる。


 仕事を続ける中で、サラは二人の気になる男性と出会う。一人は運転手兼ボディーガードであり、サラの危機を救ってくれた黒木俊太。もう一人は『Onlooers』の常連の顧客であり、零子とも因縁浅からぬイケメン舞台演出家の紺野涼。更にNo.1キャバ嬢を自称する彩花が絡み、サラの恋心は激しく揺れることになる。


 やがて、サラは傍観者としての自分に居心地のよさを感じるように。しかし、それは彼女がはじめから傍観者だったから。当初からそれを看破していた零子は、サラに約束を果たすように迫るが……。



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